IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男
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カンボジアの歴史と風土

遺跡、アンコ-ル・ワットで知られるカンボジアの民、クメ-ル民族が自らの王国を築き始めるのは、古く7世紀に遡る。12世紀、アンコ-ルの王ス-リヤバルマン2世から7世の時代には栄華を極めたその版図は、ほぼ今日のタイ、ラオス、ベトナムの全域にまでその影響力を及ぼした。海のシルクロ-ドと呼ばれる南インドから中国にいたる季節風に乗った、海洋貿易の中継点としても栄え、その基底には、ヒンドゥ-(インド)文化の影響が顕著であり、その集大成がアンコ-ル・ワットの遺跡群でもある。
だが、15世紀、アユタヤの地に王国を築いたタイ族の度重なる遠征により、大建築と素晴らしい美術を残し栄華を極めたアンコ-ルの王朝は崩壊する。これ以降、カンボジアはベトナムとタイの狭間で干渉を受け続け、近代にはさらに西洋の干渉を受け、今日に至っている。

カンボジアの面積は、日本の約半分にあたる。南西部の山岳地帯を除いては、トンレ・サップ湖と呼ばれる巨大な湖を中心にほぼ平坦な地型。東部には、北のラオス国境からメコン河が流れ込み、プノンペンの街を経て南東に向きを変えながら、ベトナムのメコンデルタへと向かう。これらの地形を背景に、1970年以前には豊かな米作を誇っていた。
そして村に於ける手織物は養蚕と共に、雨季と乾季によって構成される熱帯モンス-ン気候を背景に、自家消費を中心にした生活の中で生き続けてきた。

更新日時 : 1996年03月04日 09:31

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