IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男
IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男

メコンにまかせ Vol.003

みなさん、おげんきですか
メイルニュースの第3弾、
近況報告です

<<日本での展示会>>
5月24日からの札幌、神戸、そして6月9日までの葉山と、2000年の春の展示販売会を盛況におえることができました、お手伝いいただいた皆様、そして、会場にきていただいた皆様、ありがとうございました、あらためて、お礼申し上げます。日本の中で、多くのかたがたにカンボジアの伝統の絣に直接触れていただける機会がもてたこと、あらためて感謝いたします
ことし11月には、みたびめの京都の法然院で展示会を予定また、おなじく11月に、沖縄において絣ロード展が企画され他のアジアの絣文化をもつ人たちとともに研究所も参加を予定また、詳しくきまりましたら、ご案内させていただきます。

<<プノンペン事務所>>
この6月26日、トンレサップ川沿いのプノンペン事務所を閉じ、資料や本、家具など、さいごの引越し荷物の山をトラックに載せあいかわらずのでこぼこ道、机のガラスが割れたりしながらもシアムリアップまでの約300キロ、11時間半かけ運搬しました。これまでの5年間、プノンペンを中心に活動してきたこともありいざ引っ越となると、なかなか後ろ髪を引かれるものがありました、

<<国境の町、アランヤプラテート>>
じつは、いまタイのカンボジア国境の町、アランヤプラテートの昔ながらの商人宿のような田舎のホテルで、このメールニュースを書き始めています、天井にはゆっくり回る扇風機、この部屋で一泊600円、お湯はでませんが、なかなか町の名前を略して呼ぶのが得意なタイの人は、この町を簡単にアランと呼んでいます。
1979年1月、カンボジアにベトナム軍が侵攻を開始、多くのカンボジア人が、タイ国境にたどり着き、この町の近くに、いくつもの難民キャンプをつくり暮らしていました、研究所の織り手の女性の一人もそんな経験をもつひとりそして、国連や難民救援団体のボランティア、ジャーナリストが世界中から、当時この小さなアランの町に集まってきました、わたしは、81年冬にはじめてこの町に来たのだけれど、そのとき、難民景気とでもいえる不思議な活気がここにはあったそれから約20年、いまでは国境貿易でにぎわう町となっている。
先週、金曜日、シアムリアップを朝7時、乗合トラックにゆられ乗り継ぎながら、カンボジア側の国境の町、ポイペットまで180キロを約6時間、そして、歩いて国境越え30分、国境からアランの町まで15分、アランからエアコンバスで4時間半、その日の夜7時にはバンコクの町へ先週は、丁度プノンペンからバンコクまでの約800キロを陸路移動したカンボジア側はあいかわらず、カンボジアンオフロード、未舗装の突然道路が消えて無くなるなんてこともある、そんな悲惨な道が多いのだけれども、現在ではまったく治安上の不安はない、
バンコクを早朝出れば、その日の夜にはシアムリアップに着くことも可能カンボジア側を何度かバイクで走ってきた、こんかいはトラック同じ道でも、移動の仕方で見えるものは違ってくる、ふしぎなもの目の高さとスピード、そして、途中で休みながら機会があれば村人と話すカンボジアも、町と田舎ではその表情は大きく違う、そんな村の人の暮らしに触れることも、陸路での移動の楽しみだろうか。

<<草木染めの時代?>>
バンコクへは、在タイの日系の繊維会社から、草木染めにたして引き合いがあり、話しにいってきた、変な話だけれど、すでにその会社のカタログには草木染めの製品が紹介されている、でもそれは、化学染料で草木染め風につくったもの日本のマーケットではそれも許されていたのだろうか。
さいきん、とくにヨーロッパあたりでは化学染料にたいしてその毒性や、その廃液がもたらす環境汚染について見直しがすすみ、使用が禁止される種類の染料も出てきているある種の化学染料の場合、それを身につけているだけで皮膚などに悪い影響を与えるものもある、化学染料の歴史はまだわずか140年ほど、しかし、草木の歴史は数千年に及ぶ、日本でも正倉院や法隆寺に古いものがいまだ鮮やかな色のまま残されている、そして今わたしたちがカンボジアで使っている、草木の染材の中には天然の薬効を持つものも少なくない。
タイ、カンボジアで伝統的に使われてきた染材にとどまらずあたらしい染材も見つけだしてきた、そんなこれまでの経験は21世紀は、ふたたび草木による自然の染色が時代の主流となるのではという、たしかな実感であった、そして、伝統の手工芸の世界で培ってきたそのノウハウを、もっと確実な染色技術として、ローコストで普及させることで、身近なものにしたいと思ってきた、しかし、環境汚染など気にしないで製品づくりをしてきたひとたちが、とつぜん市場への目新しさからそれに取り組むということではない、あくまでも、自然環境との調和や共生を考える生活、自然の色に包まれるとはそんなことではと、また、かんがえさせられてしまいました。

<<シアムリアップでも桑の木プロジェクトを準備>>
すでにはじまった今年の雨季の間に、あらたな養蚕プロジェクトをこのシアムリアップでも準備するため、動き始めましたまだこれから苗木を準備することから始めなくてはなりません、がすでに、バッタンバンやポイペットの桑の木は順調に育っています今年の末あたりから、お蚕さんを飼うことができるかもしれません。シアムリアップでは、兵隊だった家族が定住し始めた地域がありそこは、けっして農業に向いているとはいえそうにもない土地ですまだこれから、開墾していかなくてはならないところ、そこに桑の木を植えることで、僅かでも彼らに現金収入がもたらされればと、提案、動き始めました、もちろん糸まで村で作ってもらいます近代養蚕式の繭の生産農家だけでは、収入がかぎられています、糸まで村で引くこと、もちろん蚕は在来の熱帯の黄色い繭、あらたな伝統養蚕のシアムリアップでの再生です。

<<カンボジアの村へ>>
わたしたちのプロジェクトの現場を直接見にきてくださいこの、8月22日から27日までの予定で、タケオやカンダ-ル県の手織の農家をたずね、カンポット県の養蚕のタコ-村も訪ねますそして、後半はシアムリアップの研究所の新しい作業所、そしてクメール文化の中心、アンコールの遺跡を訪ねます、関心を持ってきていただいた皆さん、ぜひこの機会においでくださいお誘いいたします。

詳しくはNPOのような旅行会社マイチケットへお問い合わせください。
電話06-6304-7800 担当は山田さん

最後まで、お読みいただきありがとうございます
シアムリアップより 
森本喜久男

更新日時 : 2000年06月09日 13:41

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