2002年6月アーカイブ

 ごぶさたいたしております、みなさまいかがお過ごしですか。カンボジアも、雨季に入り、雨のある日が多くなりました。この時期、雨に降られて大量のコウロギが孵化。夜の蛍光灯めがけて、本当にたくさん飛んできます、それを捕まえるべく走り回る子供たち、これも、この時期の風物詩のようです。もちろん、捕まえられたコウロギは、炒められてみんなのおやつとなります。

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 研究所のあたらしいグループ
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 研究所では、それぞれの作業ごとに絹糸、染色、絣括り、織と いうグループにそれぞれわかれています。そして、砂糖椰子の葉で箱を編むグループ、ハンカチの手縫いとパッチワークのグループ、ほかにも、織機や道具類を作ってくれている大工組など。

 そしてあらたに、桑の木や伝統の森に植える苗木の準備や世話をするためにプラント組と呼ぶグループ。そしてゆくゆくはローケツ染めをするために、いまは毎日模写を中心にお絵かきに励むペイント組ができました。ペイント組みは、最初新しいスタッフを中心に30人ぐらいのスタッフにとりあえず、思い思いに色鉛筆で絵を描いてもらいました。そのなかから、8名をえらび、約一月半。すこし、まともな絵をかけるようになってきたかな、と思えるこのごろです。筆なんか、持ったことのない女性、絵の具は初めて、色を合わせて使うことなど知らない、そんな感じで始まったのですが。

 あらたに参加してくれた日本人の女性2人をいれ日本人は計5名、総勢は143名となってしまいました。これまでの研究所の建物と別に、すぐとなりにあらたに借りた家もすでにいっぱい、という感じです。織機も19台に増えました。

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動き始めた伝統の森計画
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 研究所はプノンペン時代(1995年から99年)、戦乱の中で途絶えかけていたカンボジアの織物の伝統を掘り起こすために、村を回りながら経験を持っているおばあちゃんを探しだす、そんなことをやっておりました。そして、2000年からシエムリアップに場を移し、若い世代に伝統を伝えながら、あわせその活性化をめざそうとしています。

 そのなかで、過去の織物の伝統は豊かな自然の中で育まれてきたことを教えられました。伝統の織物の復活は、それを包み込む自然環境を抜きにして考えることはできません。たとえば、自然の草木による染色を、自然の恵みとも言います。しかし、もらってくるだけではいつかは尽きるもの、恵みを返す、双方向の作業が必要です。村での聞き取り調査の中で、そんな営みが伝統のなかでおこなわれていたことが見えてきました。

 たとえば、伝統的な赤を染める材料、ラック。これはカイガラ虫の巣です。しかし、戦乱の中でラックが育てられていた樹は切られ絶滅してしまいました。現在は、隣のラオスやタイから取り寄せ、使っています。カンボジアの絣を代表する色。古い布に染められている、鮮やかな赤。それを再現するためには、新鮮なラックが必要です。昔は、村人が手を伸ばせば届くところに巣や染め材となる植物がありました。そんな環境を蘇生してゆきたいと思うようになりました。それが、伝統の森計画です。ラックカイガラ虫が育つ自然環境の再生。それは、どこの村にもあった小さな森。村人の生活を支えていた、生きた森。そんな森を、いま、研究所では伝統の森と呼んでいます。

 伝統の森計画。この計画をたててから約一年。そのために必要な関係資料を集め、苗木を育てながら準備、可能性のある場所を探してもきました。そして、不思議な出会いとでもいうのか、適当な場所を見つけることができたのです。そこは、アンコールワットの北、約10キロのところに位置。もともとは、森であったであろうと思えるところ。現在は樹と呼べるものはほとんどない、荒地。約5ヘクタール。ここに、伝統の森を、本当に小さな森を再生してゆきたい。研究所では、これまでカンボジアの伝統的な養蚕を村人と協力しながらその再生に取り組んできましたが、この伝統の森の一角に、桑畑も併設しようと思っています。そして、藍や綿花も植えたいと。

 まず、苗木を植えるために開墾をしていかなくてはなりません。研究所の総勢でローテーションを組み、取り組んでいこうと考えています。開墾をいっしょに手伝っていただける方、急募しています。これは土方組かな、そして、苗木を植えていきませんか。研究所では桑の苗木約1200本と、染色に使う樹や果実など約500本の苗木をすでに準備しています。10年後20年後、立派な樹に育ってゆきます。そんな楽しみを、共有しませんか。植林や建築、土木の専門の方、手弁当で手伝っていただける方も探しております。資材や機材の提供協力もよろしくお願いいたします。ゆくゆくは、森の一角に生活の場、小さな集落を造りたいと思っています。

 そして、この「伝統の森計画」実現のために、みなさまのご寄付を募っております。さらに苗木を準備、開墾を進めてゆくために、みなさまの熱いご協力とご支援をここにお願い申し上げます。

 クメール伝統織物研究所
 森本喜久男

   *動き始めた「伝統の森計画」実現のために。
   振込先:
   郵便普通口座 14400-29352321 
   口座名     森本喜久男
   一口3000円とさせていただきます。

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 アメリカでの展示会、講演会
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 8月3-5日まで、サンフランシスコ近郊で開催される、世界手工芸フエアーに招請され、出展を予定しています。そして、9月23日アメリカのボストンでおこなわれるアメリカテキスタイル協会の年次総会において、カンボジアのシルクについて講演を依頼されています。ここ一年ほどですが、研究所にアメリカやヨーロッパから訪ねてこられる方も増えてきました。その結果だと思えますが、カンボジアの豊かな伝統の織物を紹介してゆければと、参加する予定です。

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日本での展示会
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 例年のように、今年も京都の法然院において、11月に展示会を開催させていただけることになりました。その前後、まだ未定ですが展示会を何ヶ所かでさせていただく予定です。うちで、という方がありましたら、ぜひ声をかけていただければと思います。

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 *研究所のEメイルアドレスがこれまでの
 iktt@hotmail.com から、
 新しく下記のものに変更してゆく予定ですのでお控えください
 iktt-morimoto@esprit-libre.org

 研究所のホームページ、リニューアルされました、写真なども
 順次あたらしく記載されてゆきますので楽しみにしてください。

 2002年6月4日

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