2002年7月アーカイブ

日本の皆様へ、暑中お見舞い申し上げます。今年の日本は暑いようですね。カンボジアはいま、雨季の真っ最中。昨日の夕方も、スタッフが帰宅する時間になって雨が降り始めてきた。こんな風に、夕方に降ることが多い。雨に濡れながら、帰宅の路につくスタッフたち。多くは、自転車通勤。中には、家まで2時間近くもかかる人も。雨にもメゲズである。でも雨の降る日が多い雨季は、比較的に過ごしやすいように思える。カンボジアの夏は4月、そのサウナ状態の暑さと比較してだが。


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 芭蕉の紐

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研究所にあたらしく芭蕉の紐をつくる、芭蕉組が出来た。伝統の絣の柄を染め上げてゆくために、これまでは、プラスチックの紐を使ってきた。しかし、プラスチックの紐では、染と括りを繰り返す作業の中で、紐が弱くなっていく。細かい模様を括るため、その糸の束の中にまで色が入るように、何度も糸を叩きつける。
プラスチックだと長い時間染めることが出来なかったり、染めた色がにじんだりすることがある。そして、長時間、煮込んだ染液に浸すことができないということは、染色堅牢度に不安が残る。研究所の布は、少々のことでは色が落ちない、むしろ使い込んでいただくことで、良さが出る。それを特徴に、何千年と続いてきた自然の染色の知恵を受け継ぐことを課題にしてきた。
プラスチックの紐は、その前に立ちはだかり始めた。伝統的には、この括りの紐は芭蕉の紐が使われてきた。しかしいまでは、村でも絣の括りに芭蕉を使う人を見かけなくなってきた。化学染料の普及と簡単な染で、プラスチックの紐に芭蕉は取って代わられてきた。しかし、その分染めの堅牢度は決してよくない。
研究所の染めは、それぞれ材料によって異なるが、約1時間は染め液の中で煮込む。濡れることで強くなる、そんな性質を持つ芭蕉は、安心してこの作業をするために最適。

研究所にいる、おばあちゃんたちは昔は村で、自分で芭蕉の紐を作り、括りに使ってきた。そんな彼女たちに教わりながら、若い研修生の何人かが芭蕉の皮を剥ぎ始めた。まず朝、農家を訪ねて芭蕉の幹を分けてもらい、自転車に積んでくるところから。始めたころはなかなか上手くいかなかった。が一月もするうちに、薄いきれいな紐ができるようになってきた。研究所でも芭蕉を植え始めたが、まだこれから。
括りをするおばあちゃんたちも、プラスチックより芭蕉のほうがいいことは知っている。1日、括りをしていても、芭蕉は指に気持ちがいいと言う見習い中の若いスタッフ。染めも安心して存分にできる。

研究所で古い布を参考に、復元をしながら昔からの知恵から学ぶということが多かった。この芭蕉の紐もそんな経験の1つとなった。

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 伝統の森計画

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伝統と自然の再生を目的にアンコールワットの北で動き始めようとしている、伝統の森計画。これまで、そのための苗木を準備してきた。養蚕に必要な桑の苗木、そして、染色に使う木など。その一部を植林するためにまず、予定地での開墾作業をこれから始めようとしている。現状は、1メートルほどの高さの草木がブッシュのように覆い茂っている、荒地。そのために、開墾する必要があり、研究所のスタッフでローテーションを組んで進めていこうとしている。
そして、そのためのトラックがどうしても必要です。しかし研究所は研修生の給料を払うことが精一杯で、それ以上の余裕が現在はありません。このメイルニュースを読んでいただいている、皆様にお願いです。開墾作業を進めるために、必要な機材と中古トラックの購入のためのご寄付をここにお願い申し上げます。研究所の活動をご理解のうえ、みなさまのご協力が必要です。

動き始めた「伝統の森計画」実現のために。
振込先:郵便普通口座 14400-29352321 
口座名:森本喜久男

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 9月のアメリカでのシンポジュームへ

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ロスアンジェルスで8月の2-4日に予定されていた国際ハンディークラフトフェアーへの参加は断念しました。可能であれば、来年には参加したいと考えています。主催者のホームページがありますので訪ねてください。

http://www.worldweaving.org

9月26~28日、ボストンの近くニューハンプトンで開催されるアメリカテキスタイル協会のシンポジュームに招待され、そちらには参加します。このシンポジュームは「シルクロード、もうひとつの道」というテーマでおこなわれます。
わたしは、カンボジアの伝統織物の現状と、研究所の活動を紹介する予定。報告日は27日です。こちらも、ホームページがありますので、覗いてみてください。

http://textilsociety.org

そのあと、10月5日にはシアトルの大学でカンボジアの活動報告会があります。このアメリカ行きを、研究所の今後の活動の展開にとって意味のあるものにしたいと考えています。もどってきて、また詳しくはメイルニュースで報告しますので、楽しみにしてください。

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 秋の日本での展示

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恒例の京都、法然院での展示販売会を今年もご好意でさせていただくことになりました。11月22-25日です。そのまえ、11月9-11日は西宮のギャラリーストラッセ、11月15-17日は広島の瓢箪堂にて予定しています。そのほかの地域でも準備中ですので、決まりましたら案内させていただきます。

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 研究所は朝8時から5時まで、お昼は12時から2時までお休みです。
 オープンは月曜から土曜日。日曜日、作業所はお休みですがギャラリー
 は開けております。研究所の位置は、シエムリアップの中心にあるオー
 ルドマーケットからシエムリアップ川沿いに、南に約1キロ、クロコダ
 イルファームの200メートル手前、右側です。

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