太平洋を越えてしまった森本より(1)
アジアはうろうろしておりましたが、わたし太平洋を越えたのは初めてなのです、マーメイド号の堀江健一さんではないですが、半分御のぼりさん感覚で周りの人たちや、町の風景を眺めておりました。乗り換えのデトロイト空港の手前、シアトルを越えたところから、アメリカの農村風景を飛行機から見ておりましたが、本当に大きい。農地の区画の単位が1キロ、100ヘクタール単位もしくは、その4倍、2キロ四方で区切られた農地が地平線まで続いている、それを見ただけで、アメリカという国の大きさを感じてしまいました。
アメリカテキスタイル協会(TSA)のシンポジュームの会場のマサチューセッ州にあるスミスカレッジ。この学校も緑にあふれた小さなノースハンプトンという町と学校が一緒になっているところ。一見、とてもアメリカ的なカントリー風な立派な家が大きな木々の間にたくさんあるところでした。17世紀ごろに始まる町のそんな歴史を感じさせる大学のレンガ造りの校舎群。とても古い建物群が並んでいる、そんな印象を最初に持ったが、じつは外見とは違い、建物の中は超モダンな設備が施されていたりする。それはダブルショック、そんな、不思議な町です。
アーリーアメリカンというのでしょうか、かれらの開拓時代に作り出してきたその風景を大切にする、そんな流れがあるのでしょうか。それは、そのままアメリカという国のディープな一面、深さ?大きさを感じさせるものです。ニューヨークやサンフランシスコのような大都会ではなく、東部のこんな歴史のある田舎町、いや学園都市かな、それを最初に見られたことは、それはそれで興味深く、カルチャーショックを楽しんでおります。それとここは、わたしのような60年世代には懐かしいウッドストックのそばなんですね。
シンポジュームもそんな学校の校舎や設備を使っておこなわれているのです。参加者は約3百人ほど、もう少し多いかな。そのほとんどはアメリカ中、いやカナダそしてイギリスの博物館などからもやってきた学芸員や織物の専門家の人たち。久しぶりに出会う友達同士、最近の様子をお互いに話しながら、いいですね、こんな集まりがあることが、日本ではないのじゃないかな。その中には、アメリカで活躍されている日本人の織物の専門家も含まれていました。
でも日本人はわたしも含めて、6人。それぞれが、専門の分野で研究や制作をされている方々です。布が好きな人たちだからか、何人か日本の古いキモノの羽織なんかを、スーツの上に軽くオーバージャケット風に着こなしている人たちがいて、それは素敵だなと思いました。逆に日本なんかでは見かけない風景です。今回は、シルクロードがテーマ。この会場のノースハンプトンは1653年に始まった歴史のある町で、アメリカの中で養蚕が盛んにおこなわれていたところです。ふるい養蚕関係の設備なども博物館として保存されています。
フランスのリヨンの養蚕については資料などで読んでいましたが、アメリカにもこんなところがあったのです。会場になったスミスカレッジにもそんな古い養蚕を復元するプロジェクトがあるようです。
更新日時 : 2002年10月 7日 16:26



