IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男
IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男

養蚕の村

久しぶりに、プノムスロックの村を訪ねた。97年2月以来。そのときの写真を持っていった、みんな6年ぶりの写真の中に写っている自分を見つけて嬉しそうだった。
この村は、カンボジアの西部、もとはバッタンバン県に位置していたが、93年の国連暫定政権移行は、新しいバンティミエンチェ県になった所にある。シエムリアップから西に約80キロ、ポルポト派の支配地域であったから、最後の最後まで戦闘が続いた地域のひとつでもある。
わたしは、95年の織物の現状調査のとき訪ねたいと思ったが、戦闘が激しく訪ねることは出来なかった、唯一の所である。一時安定、96年後半から97年前半、そのとき国連のUNDPという機関から依頼されて、自然染色の講習会を開くために訪ねることが出来た。そのあと、また戦場になり、98年後半まで安定していなかった。
この地域は、村の名前が織物の柄に残るほどに、古くから織物が盛んな所であった。そして、伝統的な村の中での養蚕が黄色い繭によって続けられてきた地域でもある。研究所では現在この村でできた生糸を定期的に買っている。
今回久しぶりに訪ねた。そんな村を巡るNGOの絡んだプロジェクトがいくつかあることは聞いていた。でもそのほとんどは、2年か3年で消えていく。村の伝統を外部の人間の思惑で掻き回して去っていく、そんな残骸のようなものを村の中に幾つか見つけた。でも村人は、自分たちの生活のペースで伝統を活かしていく、そんなことを久しぶりに訪ねた村で考えさせられた。

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更新日時 : 2003年03月28日 11:40

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