IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男
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織物が出来るなかで、灰の大切さをあらためて教えられた。
大量に使うのは、生糸の精練。灰汁練とよばれる、生糸の余分なセリシンと呼ばれるお蚕さんが糸を口から吐いた時にそれを固めるためのたんぱく質成分、それは生糸の特徴でもある。それが残っていると、麻のようにごわごわした感じがする。生糸の繊維の表面のそれを取り除くことで、シルク本来の良さが出てくる。灰汁はアルカリ、たんぱく質にとっては大敵。半練り、という言葉もあるほどに、適度に取ることが大切といわれている。京都などでは糸屋さんとならんで、これを業としていた人たちもいたほどである。
現在では村でも、ハイドロなどの化学成分で代用する、しかしもとは自然の灰。研究所では、灰を村の人に頼んで届けてもらっていた。ところが、ばらつきがある。昔から灰にするベストはバナナ。石鹸のない頃にはバナナの灰がその代用になっていた。代用という言い方はおかしいが。現在、バナナの実のなる芯を市場から買ってくる、まいわばゴミになっているもの。それを細かく裂き、乾かし、燃やして、灰を作るようになった。そのおかげで、灰の品質が安定、精錬も安定するようになった。その結果、色の染まりも数段良くなった。灰汁は、自然染色の媒染材としても利用する。そして、上澄みをとった灰は土にまた返る。

更新日時 : 2003年6月12日 12:35

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