IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男
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我慢できずに

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桑の苗木を植えてまだわずか5ヶ月ほど。それでも、もう人の背丈ほどに伸び始めている。桑の木の成長は早い。苗木も研究所で準備して約一年ほど経っていたから。あわせて1年半。そんな育つ桑の木を見ながら現場のカンポットから来てくれている、何人かは気が早いもので、いつからお蚕さんを飼うのかと聞いてくる。
予定では11月ごろを考えていた。でも、そんな2000本の育つ桑の木を見ながら我慢できなくなってきた。葉っぱがもったいない。こんだけ葉があれば、どれだけのお蚕さんが育つことか。そんなことを考え始めたようだ。カンポットからのメンバーの中には、村でわずかな桑の木でお蚕さんを育ててきた経験者もいる。だから、余計なのかもしれない。
そのなかのひとりモクバット、彼はしっかり者のお母さんにさだてられてか、養蚕から糸引き、そして織まで器用にこなす。織をやる時はさすがに恥ずかしそうに、だったが、村の養蚕グループの中でもリーダー的存在だった。今回、伝統の森の現場に来てくれたカンポットのメンバーの中でもサブリーダーの役割を担ってくれている。そして、先のお正月には奥さんと子供もつれてきた。その彼が、今回の養蚕会誌に一番熱心だ。そして、お蚕さんを飼うための蚕室を建てなくてはならない、その話でも、わたしが、4X5メートルほどの大きさで、というと、それでは小さい、5X10メートルがいい、と主張してきた。なかなか、彼の養蚕に対する思いは強烈である。わたしは、彼が伝統の森現場での養蚕グループのリーダーとして名乗りを揚げてくれたと、理解した。嬉しいことである。彼は、すでに村の養蚕の専門家といってもいい。安心して負かすことが出来る。
気が早いもので、蚕室を建てる場所も新しい桑畑のそばに決まった。来月には建てる準備もし始めた。お蚕さんの一生は45日、早ければ、8月の半ばには、お蚕さんが元気に育ち、伝統の森初めての生糸が出来あがるかもしれない。

更新日時 : 2003年6月14日 12:40

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