IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男
IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男

wisdom from forest

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最近、研究所の活動を研究のテーマにしたいという研究者や学生の方からの問い合わせが来るようになった。オランダからきたメイルには、海洋交易時代(いかにもオランダらしい)からのシルクの伝播について研究していて、カンボジアのシルクに辿り着いたが。と言う質問から、現在の活動についてまで。やはり昨年には、流行のエコツーリズムと文化と言うからみでカナダ人の研究者が伝統の文化、織物とアンコール観光産業とのからみで取り上げられた。
そして、昨年、わたしが講演したシアトルの大学の研究者から質問のメイルがやってきた。それには、お前のところの研究所の活動にはモデルがあるのか?どこから財政的支援を受けているのだ?といくつかの質問が寄せられてきた。もちろん、わたしたちの活動のモデルなどない。現実の中での必要性とその時々の力量が、結果として現在の活動のスタイルを生み出してきた。そして、財政は?大口のドナーなどもたない身。個人の研究所の布を買っていただく方々が主要な支援者である。年間予算などないし、そんな余裕も持たない。でも、日々活動を継続しながら、ここまで来ることが出来た。これはなかなか理解が難しいかもしれない。わたしたちの活動の、日々の現場を見ていただければ、わたしたちのサバイバルな活動のスタイルが良く分るのだが。それは、研究所のみんながそうであるように、わたしも今日生きることの中で日々の活動を継続、発展させてこれた。今年の年末から、そのアメリカ人の研究者はシエムリアップに来ることになっている。しばらく滞在するという、彼は自分の目で研究所の活動を確かめたくなったらしい。
日本的な見方で言えば、わたしたちの活動は狭い意味での「伝統の織物の復興」そして、その技術保存と言う風に捉えられがちである。たしかに当初はそうであった、しかしその活動を進めながら、その活動を担う人、とくに貧困層の女性の自立支援へ発展してきた。そして、その伝統の織物を支えていた、自然環境の再生なくして伝統の織物の再生はありえないというところに辿り着いてしまった。さいきん、わたしたちは生活NGOだと言っている。研究所のみんなが食える、生きてゆくことが出来るためのNGOなのだと。そのために、伝統の森プロジェクトではその実現のために、過去と現在の伝統の融合をめざしながら、あらたな伝統の創造を願っている。「wisdom from forest」これが「伝統の森」のあたらしい英語名である。文化と自然環境、人そして生活。それが現在の研究所のテーマと言える。

更新日時 : 2003年7月15日 16:21

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