IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男
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福岡へ

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今日の夕方、研究所の二人の織手が福岡に向かった。福岡市美術館で開催される「カンボジアの染織展」で実演を担当するために。1人は織の産地のタケオ出身で研究所のワークショップの先生のチーフのソガエット。もう1人はシエムリアップ出身のナラン。彼女は、他の研修生と同じように生糸をきれいにする作業から始まり織に進み、現在では研究所のショップのチーフでもある。
ソガエットは研究所に来てから、自然染料をはじめた。タケオの村では化学染料が普通であり、生糸もベトナムからの生糸を使っている。そういう意味では、上級の研修生でもあった。彼女の母親は数年前に亡くなったが、研究所の初期のころの復元の仕事に関わってくれた、村の優れた織手の一人であった。そんなお母さんの技を受け継いでいる。
ナランは、最近お父さんが亡くなった。やっとその百箇日を終えたばかりである。シエムリアップの研修生の古株の1人である。仕事を終えてから、英語を習いに行っていた、それがきっかけで、ショップの担当に。しかしいまでは、ソガエットを補佐しながら、研究所の布が出来上がる全工程の動きを把握している。最近では、村から届けられる黄色い生糸の選別も出来る目利きになり始めている。
もちろん初めての外国である。不安と、そして未知への期待のようなものが入り混じっているのだろう。旅行の準備をかねて簡単な日本語を習っていた。そんな二人を見ていて、約40日の長い滞在になるであろう始めての日本が、彼女たちにとって素敵な場所になることを願っている。

更新日時 : 2003年10月 1日 08:42

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