2005年6月アーカイブ

反響

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ドイツとフランス圏で研究所のドキュメンタリーが放送され、その反響がすごいです。まいにち、見た人からメイルが来ております。わたし自身は、残念ながらまだみておりません、送られてくるのを楽しみにしております。

昨夜は、研究所のナランとソガエットが福岡に旅立ちました。わたしは、バンコックの空港まで二人を送り福岡行きのゲート前で、バイバイをしてきました。福岡近辺の方、ぜひ二人の福岡市美術館での報告会にお出かけください。F-ACTという福岡のNGOのかたがたが主催、二人を福岡に呼んでいただきました。ありがとうございます。

kikuo morimoto

1948年
京都に生まれる

1971年
京都にて手描き友禅の工房に弟子入り

1974年
レイ デザイン研究所テキスタイルデザイン科卒業

1975年
独立して手描き友禅工房(森本染芸)を主宰

1983年
タイのラオス難民キャンの織物学校のボランティアとして訪タイ、タイで農村の織物と出会う。以来、東北タイ農村での手織物プロジェクトの設立に関わり、その後、草木染めの調査、指導を続ける。

1990年
アメリカのスミソニアン、織物博物館のタイ織物調査に協力

1995年
ユネスコ カンボジアの手織物プロジェクトのコンサルタントなどを経て、国際開発計画(UNDP)の織物復興セミナーに参加。カンボジア・カンポット県の村で黄色い繭による伝統養蚕の復興プロジェクトを単独で開始。

1996年
カンボジアのタクマオ市に「クメール伝統織物研究所」を設立。

1999年
桑の基金設立。地雷被害の大きいバッタンバン県などで養蚕プロジェクトを開始。

2000年
「クメール伝統織物研究所」をシエムリアプに移転。以上を通して、伝統織物の復興に取り組んでいる。

事件

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静かなシアムリアップの町で、突然起こったインターナショナルスクールでの人質事件、わたしも現地の日本大使館から連絡をもらい現場に、在住の日本人のお子さんも何人かその中に、お母さんが子どもと出会えたときの現場に居合わせ、二人の抱き合う姿が今も焼き付いております、
観光で栄える街の中で、その歪みもあるのかもしれませんが、とても残念な気がします。

3月に研究所にやってきていたドイツの取材チームのドキュメンタリー番組の放送が決まったと連絡が入りました。現地時間(欧州時間)の6月25日の午後21時35分からのドイツとフランスでの放送とのことです。(再放送は翌日26日の午後14時55分から)番組の関連ホームページは、以下のとおりです。

▼ドイツ語での番組紹介

360° : Die Geo-Reportage
Kambodscha - Die Seele der Seide
※番組表の「21:35 360°:Die Geo-Reportage」をクリックしてください

▼フランス語での番組紹介

360° - LE REPORTAGE GEO
Cambodge, le cri de la soie
※番組表の「21:35 360°- LE REPORTAGE GEO」をクリックしてください

2005/06/11_____________________________________________________Vol.046

INSTITUTE FOR KHMER TRADITIONAL TEXTILES
____________________________________ http://www.esprit-libre.org/iktt/

みなさま、クメール伝統織物研究所の森本喜久男です。

数ヶ月前から、何度か西アジアあたりのカーペット屋さんから、生糸がほしい
とメイルが入っていた。そしてしばらくすると、その本人が研究所にあらわれ
た。機械織りのために品種改良された中国の生糸では、土足で踏んで100年
もつようなカーペットは作れない。しかし、カンボジアのこの黄色い生糸はそ
れに耐えられるだけのシルク本来の強度を持っているから、彼らがカンボジア
のシルクに目をつけたのは当然かもしれない。でも、その結果、生糸がこれま
でのように入らなくなってきた。
研究所では、これまでシエムリアップの西80キロほどのプノムスロックの村
から生糸を買っていた。生糸を買うことで、村の伝統的な養蚕業を支えるとい
う意味合いもあった。それゆえ「伝統の森」では、養蚕よりも綿花栽培に力を
入れようと考えていた。だが、今のような状況が続くのであれば、生糸の生産
も、すべて自前で行なえるように次のステージを考え直す必要がある。
カンボジアの生糸が、世界の中で見直されるときが来るとは予想していたが、
思っていたよりもそれが早くやってきたような気がする。結果として、新しい
養蚕農家が増えていくことになれば、それはそれでいいことではあるのだが。


(1)インターネット新聞「JanJan」で取り上げられています。

インターネット新聞「JanJan」の特集記事「WEB探検」のひとつとし
て、『カンボジア染織の「復興支援」』と題した連載記事をまとめていただい
ています(全8回の予定で現在6回まで掲載されています)。
以下のURLから、ご覧ください。

▼カンボジア染織の「復興支援」(1)現地に根づく支援
http://www.janjan.jp/special/0506/0505310700/1.php
▼カンボジア染織の「復興支援」(2)25年間の断絶
http://www.janjan.jp/special/0506/0505310703/1.php
▼カンボジア染織の「復興支援」(3)在来種の黄色い繭の復活
http://www.janjan.jp/special/0506/0505310705/1.php
▼カンボジア染織の「復興支援」(4)絹絣はクメール文化
http://www.janjan.jp/special/0506/0506040876/1.php
▼カンボジア染織の「復興支援」(5)織った布は売らずに貯える
http://www.janjan.jp/special/0506/0506040879/1.php
▼カンボジア染織の「復興支援」(6)草木染は難しくない
http://www.janjan.jp/special/0506/0506040882/1.php


(2)ドイツとフランスのテレビで研究所の取り組みが紹介されます。

3月に研究所にやってきていたドイツの取材チームのドキュメンタリー番組の
放送が決まったと連絡が入りました。現地時間(欧州時間)の6月25日の午
後21時35分からのドイツとフランスでの放送とのことです。
(再放送は翌日26日の午後14時55分から)
番組の関連ホームページは、以下のとおりです。

▼ドイツ語での番組紹介
http://www.arte-tv.com/de/programm/242,date=25/06/2005.html
360° : Die Geo-Reportage
Kambodscha - Die Seele der Seide
※番組表の「21:35 360°:Die Geo-Reportage」をクリックしてください

▼フランス語での番組紹介
http://www.arte-tv.com/fr/programmes/242,date=25/06/2005.html
360° - LE REPORTAGE GEO
Cambodge, le cri de la soie
※番組表の「21:35 360°- LE REPORTAGE GEO」をクリックしてください


(3)愛知県美術館での展示が始まっています。

5月24日(火)~7月10日(日)まで愛知県美術館で「アジアの潜在力~
海と島が育んだ美術」と題した企画展が開催されます。カンボジアの「染め」
の作品として、クメール伝統織物研究所が所蔵する古いピダン1点と、研究所
で復刻されたピダン2点が展示されています。
== 愛知県美術館の解説より ====================
この展覧会は、東アジアの島嶼部であるインドネシア、カンボジア、タイ、台
湾、ベトナム、日本など、古代より海上交易によって結ばれていた地域を対象
に、造形のなかに共通する感性を見出そうとするものです。「彫り刻む」「手
でかたちづくる」「染める」といった基本的な技法に注目しながら、古代の造
形物から工芸、現代美術まで幅広いジャンルの作品を選び、この地域に豊かに
育まれていった造形を独自の観点から紹介します。
===================================
▼愛知県美術館
http://www-art.aac.pref.aichi.jp/jhome.html


(4)福岡市美術館での展示も始まりました。

5月31日(火)~7月18日(月・祝)まで、福岡市美術館で「カンボジア
の絹絣」展が開催されます。
== 福岡市美術館の解説より ====================
アンコール・ワットなどの遺跡で知られるカンボジアの、絹の緯絣は、文様の
細やかさ、表現の豊かさで東南アジアの中でも群を抜いています。カンボジア
の絣には、建国神話にも登場するナーガ(龍)文様がしばしば用いられます。
本展では、ナーガのモティーフが表わされた絹絣を中心に、織の道具などもあ
わせて紹介します。
===================================
▼福岡市美術館
http://www.fukuoka-art-museum.jp/index.html

クメール伝統織物研究所 森本喜久男
http://www.esprit-libre.org/iktt/

_____________________ I N F O R M A T I O N __________________________

研究所は、月曜から土曜日の朝8時から午後5時までです(12時から2時ま
ではお昼休み)。工房も日曜日はお休みですので、工房の見学をご希望される
かたは平日にお越しください(できるだけ事前にご予約をお願いします)。な
おショップ&ギャラリーのみ日曜日も含め午後7時まで開けております。場所
は、シェムリアップ中心部にあるオールドマーケットからシェムリアップ川沿
いに南へ約1キロ、クロコダイルファームの200メートル手前の右側です。

※なお、このメールへの返信メッセージを読むことができません。返信はご遠
慮いただけますようお願いします。
※お問い合わせに関しては以下のURLよりお願いします。
http://www.esprit-libre.org/iktt/contact.html

【配信中止、アドレス変更は以下で行ってください】
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●発行
INSTITUTE FOR KHMER TRADITIONAL TEXTILES
No. 472, Viheachen Village, Svaydongkum Commune,
(Road to lake, near the crocodile farm)
P.O. Box 9349, Siem Reap Angkor, Kingdom of Cambodia

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※このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』
を利用して発行されております。【 http://www.mag2.com/ 】
mag2 ID: 0000070073
Copyright (c) 2005 IKTT All rights reserved.

 数ヶ月前から、何度か西アジアあたりのカーペット屋さんから、生糸がほしいとメイルが入っていた。そしてしばらくすると、その本人が研究所にあらわれた。機械織りのために品種改良された中国の生糸では、土足で踏んで 100 年もつようなカーペットは作れない。

シルク異変

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研究所ではこれまで、シエムリアップから西に80キロほど行ったプノムスロックという村から生糸を買っていた。それは、村での伝統的な養蚕業を出来上がった糸を買うことで支えるという意味合いもあった。そのため、伝統の森では養蚕よりも、綿花の栽培に力を入れてきた。
ところが、そのプノムスロックから生糸が入らなくなってきた、年間約1トンほどの使用量。多くはないがそれなりの糸を使ってきた。異変はここ数ヶ月前から、まず何度か西アジアあたりのカーペット屋さんが生糸がほしいと連絡のメイルが入っていた。そしてしばらくして本人が研究所にあらわれた。
たしかに、現在の機械織りのために品種改良された中国の生糸では、土足で踏んで100年持つようなカーペットは作れない。質が落ちてきているはず、しかしカンボジアのこの黄色い生糸はそれに耐えられるだけのシルク本来の強度を持っている。彼らがこのカンボジアのシルクのよさに目をつけたのは当然かもしれない、でも、その結果、かれらは生糸を買いあさり始めた。
その余波が、研究所にも押し寄せてきた。結果、生糸がこれまでのように入らなくなってきた。
あらためて、自前の養蚕事業を考えなくてはならない時期に来たのかもしれない。そう思いつつ、在庫の生糸の量を調べた。約向こう3ヶ月はいけるがその先の糸がない。もともと4月前後は暑くて生糸の生産量は落ちるから、この間2ヶ月近く生糸のあたらしい入荷はなかったから、よけいシリアスである。
シルク異変、カンボジアの生糸が世界であらためて見直されるようになるということは予想していたが、思っていたよりも早くやってきたような気がする。結果として、新しい養蚕農家が増えていくことになれば、それはそれでいいことであるのだが。研究所の養蚕も新しいステージに入る必要がある。そんなことを、あらためて考えている。

「未来を織る手の記憶」
伝統染織によるカンボジアの地域開発から学ぶ


●IKTTスタッフが2名来日、講演・パネルディスカッションに参加します
福岡のNGO「明日のカンボジアを考える会(F-ACT)」の招きでIKTTスタッフ2名が来日、7月2日に福岡市美術館・教養講座室にて行われる「国際協力を考える集い2005」に参加します。プログラムには、IKTTスタッフのンガエットさんとナランさんの講演、ナランさんが参加するパネルディスカッション、IKTT作品の販売も予定されています。(入場料:資料代として一般1,000円、学生500円)また、会場となっている福岡市美術館では、5月31日(火)~7月18日(月・祝)の日程で、「カンボジアの絹絣」展が開催されています。

明日のカンボジアを考える会

棟上式

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伝統の森の中心になる建物の棟上式を今日やる。

布の魅力

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風に揺れている布の風合いは、とても素敵だと思います。
カンボジアの絣の布、じつはまとってみたときに、ほんとうに素晴らしい、と思えるものが多いのです。これは布として広げてみたときには、感じられないものがまとうことによって見えてくる、そんなデザインが施されているのです。
名古屋の愛知県立美術館で展示させていただいている布、古布のほうは、そうです絣の柄と紋織りが組み合わされているものです、大変な手間を掛けて作られたものです。こんな織物の世界がカンボジアにあったのだと、わたしたちがあらためてため息をつくような仕事がこれ以外にもたくさんあります。

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