IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男
IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男

棟上式

伝統の森の中心になる建物の棟上式を今日やる。

これは、現在のシエムリアップの研究所のショップのある建物と同じものを、森に建てることにした。間口11メートル、奥行き18メートルの一番大きな建物になる。カンボジアの伝統的な木造の高床式の建屋である。ロレックス賞をいただいたことで、この家を建てる決意がついたのだが。

これまでに3軒の高床式の木造家屋を建ててきた、これが4軒目。森のなかの工芸村の中心。年内に、あと2軒の家を建てる予定でいる。織りや生糸、染めや括り、それぞれの作業に当てられる。500人前後の人がここで伝統の仕事をするようになる。これらの建物は、それぞれ木造の伝統的な農家の異なる形とデザインの建物を、最初は移築してと考えていたが、とてもそんな予算はないから、それを模して建て始めている。

木造の古い家は地方でもそんなに残っていない、やはりポルポト時代に共同作業所を建てるために解体したという歴史を持っている。ただ地域によっては比較的古い家が残されているところもあり、逆に村ごとなくなっているという場合もある。

わたしは、織物の調査でそんな村を回りながら、カンボジア的な古い農家と、そのデテールに興味を持ってきた。屋根の上に魚や鳥がいたりするでも。そして、鯱のようなものがあったり。でも最近は新しい家ができると、そのほとんどはコンクリートの家。伝統的なカンボジアの意匠はそこには残されていない。

そんな流れのなかで、わたしが伝統の森で古い農家を模して一生懸命、木の家を建てているのを見ながら、研究所の研修生たちはどう思っているのだろうか。

更新日時 : 2005年6月 2日 13:43

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