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IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男

水の確保

伝統の森へ第一陣で移住したオムソット家族。

もともとはタケオの村で暮らしていた人たち、だがプノンペンやシエムリアップの街での暮らしも長く、市場がそばにある生活に慣れてきた。ある程度きれいな水があり、ほしいものがあれば近くの市場にバイクか自転車で少し走れば買いにいける、そんな便利な生活。

何でもそろうコンビにがそばにある、そんな生活。ところが、森に生活はじめて、まずきれいな水は無い、市場は無いのないないづくし。

移住して一月と少し、全部で7家族約30人が一緒にいるから、たいへん。内輪喧嘩が始まった。些細なこと、でもちりも積もればで、深刻な話になる。ある日わたしが森に行ったら、オムソットが、深刻な顔をして、もう森には住めないといい始めた。70歳を過ぎた気丈の彼女も、その娘家族や孫たちからの突き上げに耐えられなくなったのだろう。

伝統の森での仕事はまだまだこれから、基本の養蚕や綿花の栽培の仕事以外に、あらたにシエムリアップの作業所を移住させていこうとしているわけだから、そのための基本の生活に必要なインフラの整備は不可欠。やらなければならない仕事が山のようにある。

これまでの伝統の森での仕事はまだやっと、前段の前段が終わったところ、やっと、その第一段階が過ぎ次のステージに入っていこうとしている、そのための新たな決意を自分に言い聞かせているこのごろである。

更新日時 : 2006年10月13日 12:05

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