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IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男

牛の糞

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2年前に飼い始めた牛さん、はじめは6頭。それが、いまでは4頭の子どもが生まれて、計10頭になった。

森のなかで放し飼い、元気に育ってカンボジアの一般的な牛さんよりも元気に太っている。もともとは、牛の糞を使ってバイオガスをはじめたいと思い、飼いはじめた。毎日の仕事のなかで、なかなかバイオガスプラント建設。とまではいかないできた。

福岡の「明日のカンボジアを考える」のみなさんが、森に訪ねてこられて、伝統の森の仕事を支える協力をと、申し入れいただいた。それがきっかけで、伝統の森に、本格的な堆肥場が出来ることになった。やっと、牛さんの糞の出番。

これまでも、福岡の愛宕浜小学校6年生のみなさんから、学校で開かれたバザーの売上金を伝統の森「綿花プロジェクト」に届けていただいてきた。カンボジアの村から、綿花栽培の伝統が消えて久しい。それが、伝統の森で甦りつつある。100パーセント、ピュアーなオーガニック コットン。伝統の森には、手品のように、綿花から綿棒を作り、糸を紡げるおばちゃんたちがいる。

そして約二年、30キロと僅かだが、手紡ぎの糸が出来、織が始まった。これも、愛宕浜小学校のみなさんの励ましのおかげ。そして、藍の木も育ち、藍染も本格的に開始した。やさしい風合いの、藍と生成りの伝統の縞模様の木綿の布が織りあがった。

そして、綿花畑や藍畑にもっと元気をつけるためには、堆肥は不可欠。そこで、何度かの話し合いの上、F-ACTのみなさんから堆肥場建設支援がいま動き始めた。16MX10Mと大きなもの。そして、その横に、牛さんの新しいうちを建てる予定。

そんな準備で、現場を見ながら話している中で、バイオガスの夢が再び、具体化してきた。牛舎を挟んで、堆肥場とバイオガスプラントを、と。まだまだこれからの、試行錯誤と失敗を重ねながら、でも確実に、あたらしい第一歩が踏み出せそうな、そんな気配が。

バイオガスプラントが実現すれば、染め場のプロパンガスはバイオガスでまかなえるようになる、それが次の課題になる。こうご期待。


森本喜久男

更新日時 : 2007年3月25日 18:44

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