米があふれるシーズン

今年も、例年のように結婚式のシーズンがやってきた。毎週、ときには週に何組かの結婚式が控えているときもある。研究所の同僚たちにとっては、お祝儀を用意するのも、頭が痛い。そんな季節でもある。
1月の収穫期を終えて、いわば「倉に米があふれる」そんな身も心も豊かなころに、結婚式を4月の正月の前までの季節に挙げるというのが、この熱帯モンスーンの稲作の民の慣わしとしてある。だからか、ご祝儀は、お金ではなく、米を包むというのも今でもおこなわれている。
もちろん、そんな倉に米があふれる人たちは限られているのだけれども。10年ほど前に、村を調査で回っているとき、「一年間家族が食べられる米があれば、それ以上何が必要なのだ」という答えが返ってきた。研究所にも、そんな一年間家族が食べる米に事欠く人たちが、たくさん働きにやってきている。
研究所で働き始め、少し生活が安定してくると、身なりもこざっぱりとしてくる。そして、綺麗になって、ボーイフレンドを見つけ、結婚していく。そしてお母さんになり、いまでは赤ん坊を抱えてきている女性もたくさんいる。そして、そんな子どもを連れてきているお母さんたちは、隣に座る若い女性の未来の姿でもある。
研究所は、「子連れ可」。そんなして結婚して子どもが生まれ連れてきている女性だけではなく、さいきんでは、どうも口コミであそこのIKTTは、子連れで仕事が出来るという噂がたつているのか、だんなさんと別れ、女でひとりで子どもを育てている、そんな母さんたちが「わたしは、子どもがいるんだ、だからここで働かせろ」みたいな感じでやってくる。
その結果ではないけれども、最近赤ん坊や子どもの数がやたらと増えてきたように思う。ハンカチの手縫いをするグループは8割がそんなお母さんたち。そんな赤ん坊に囲まれていると、研究所の作業所は、保育園の中にあるのではないかと錯覚しそうになる。
森本喜久男
更新日時 : 2007年3月 8日 10:35



