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IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男

新たな計画

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今年で、早いもので伝統の森での仕事も5年目を向かえる。

最初の土地を取得したのは、2002年の8月、そしてカンポット州のタコー村から若い衆が最初の開墾に着手するために来てくれ、本格的に動き始めたのは2003年から。荒地のようなブッシュだったところが、森とはいえないまでも、小さな林に育ってきた。そして、まだまだだけれども森で蚕が育ち、生糸が生産できるようになった。

そして昨年からは、織のグループも森に住み始め、伝統の森の工芸村が本格的に動き始めた。そして、念願だった藍染のための藍の木、綿花の栽培、そして糸つむぎ。くれには念願の、木綿の布も織りあがった。カンボジアで30年ぶりに甦った、ほんとうにメイド イン カンボジアのクローマができあがった。

残念ながら、第一期のこの5年間の伝統の森での仕事のシンボル、ラックカイガラムシを寄生させる木の育成とラックの虫のカンボジアへの里帰り、これはまだ実現できないでいるが、8割がた第一期の目標は達成しつつある。

そして、いま、来年からの伝統の森での「新たな5ヵ年計画」への思いが、頭の中で動き始めている。伝統の森学園の建設もそのひとつ。生活用の上水道と廃水処理、発電のためのハイブリッド・システムの導入。できれば、古布の常設展示もしたいから、ミュージアムも作れれば、などと。でも、もちろん一番は、もっともっとすばらしい布を作ること、なのだが。


森本喜久男

更新日時 : 2007年3月11日 23:43

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