IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男
IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男

そして、未来

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今朝、生まれて5ヶ月になる赤ん坊を連れて、事務所の人事担当の女性が職場復帰してきた。

彼女のデスクの横に、小さなハンモックがつるされ、そのなかで赤ん坊は、気持ちよさそうに寝ている。子どもが生まれるその日まで、彼女は仕事を休まず続けていた。そして、元気に戦線復帰。でも彼女はまだ20歳、数えだから日本的には19歳のお母さん。研究所にはそんな子連れのお母さんがたくさんいる。

一月ほど前に、やはり赤ん坊を連れて職場復帰した女性。彼女は、お絵かき組み。研究所に入って約5年。20歳。最初は生糸の仕事を約一年、そしてお絵かき組みにアプライ。でもじつは、彼女はまだ12,3歳のころ研究所にいつもお菓子を頭に載せて売りに来ていた。そして、15歳から研修生に、いまではお母さん。だから、彼女と研究所との付き合いはもう7年をすぎる。そして、小さな子どもたちが育っていくように研究所の仕事も育っていくことが出来れば、と願っている。仕事は人が基本、人が育つことで、仕事も育つ。

わたしは、25年ほど前、タイでカンボジアやラオス難民の人たちへの緊急救援のボランティアをしていた。ただわたしのメインの仕事は、難民キャンプで作られていた布を買い、それを売りながら、還元していくことだった。そんな組織で仕事をしていたころ、仲間のボランティアできている人たちと、いろんな議論をしていたことがある、そのなかに、個人の未来と組織の未来が同じであればいいのに、などと話していたことがある。

いま、それから25年。クメールの布とかかわりながら過ごしてきた。タイのスリン県の時代、村に織物センターを作ったこともある、でもそれは失敗の苦い経験を伴っている。そんな、いくつかの失敗の結果とでも言うのだろうか、いまでは、お母さんたちが子どもをつれて働きに来ることを大切にしたいとおもっている。

子どもたちがお母さんが働く、その背中を見ながら育つことはいいことだと、そして、わたしたちの未来を背負っていくのは、そんなお母さんの働く姿を見ながら育った子どもたちだから。


森本喜久男

更新日時 : 2007年03月19日 15:24

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