桑の木とキャッサバ
研究所の桑畑に、キャッサバを植える住人がいる。
キャッサバはでんぷんの原料となる芋。そのままでは食べられないが、焼くと甘みがあり美味である。生食すると、苦痛に耐えられないほどに苦しむのだが。
わたしの知り合いが、ポルポト時代に畑で作業をしていて、空腹のあまり、分かっていたけれども我慢できずに食べて苦しんだ話をする。

そんな、キャッサバ。根が張る力が強く、桑の木に隣接して植えると、桑の木が負けてしまう。枯れるまでいかないが、目に見えて元気がなくなる。伝統の森の、桑畑も同じで、でも、森の住人はなかなかそれを止めようとしなかった。
植物の世界は、ときに共生が難しいこともある。それはその自然環境のもつ条件に由来するのだけれども。そして、最近、やっとそれが実行、キャッサバは桑畑から消えた。伝統の森の基本は桑畑。元気のない、桑の木を見るとかわいそうな気がする。

人間の社会もときには、おなじ。諦観とでもいうのだろうか、森の木を切っている人がいても、やさしい人たちは、それを見ているだけでしかない。でも、悪事を働く人間の根はなかなか手ごわく広がり易い。ときには、勇断にその根を切らなければならない。
桑の木が元気になったように、森の優しい人たちも、いつもの元気な笑顔が戻ってきた。そんな気がした。
森本喜久男
更新日時 : 2007年6月22日 10:38
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