ロンリープラネット

ちょうど、先日パリで取材を受けたフイガロ紙記者と友人だったマスコミ関係のフランス人の女性が、家族連れでIKTTに来てくれた。そして、森のプロジェクトの現場にも行きたいといってくれた。そして、一緒に出かけることに。すこしづつ、形を見せつつある伝統の森の工芸村。
彼女は、2年前にも一度、雑誌の取材で森の現場を見に来てくれている。この2年間の、発展してきた足跡を見ながら、どうして、アノ有名な旅行誌「ロンリープラネット」に、IKTTは出ていないのだと質問された。
簡単には、シエムリアップにあるフランス系の店が有名で、言葉=文章で説明すると同じようにみえる、が、布はまったく別物。IKTTの自然の布の風合い、違いは手で触ってみないと分からないもの。そして、ロンリープラネットの記者もその違いは分からない、そんな一人。と、説明した。
数ヶ月前にも、台湾人の布好きの年配の男性。ぐうぜん湖へ行く途中、IKTTを見つけて、店にこられた。そして、突然かれは、不機嫌になってきた。なぜか、それはかれは別の有名な店でシルクの布を買っていたからである。
かれ曰く。IKTTの店で、自然染料のこんなすばらしい手触りのシルクの布を織り、売っているのにどうして、ロンリープラネットにはこのIKTTの店は出ていないのだ、と彼は聞いてくる。わたしは、それは、わたしたちの問題ではない、編集者の問題だから、と説明した。が、かれの不機嫌は直らない。
そして、彼は、外に停めてあったタクシーから、他の店で買ってしまったところの布をわたしに見せ始めた。機械引きの、ベトナムか中国系の生糸で化学染料。これは、市場やおみやげ物の店では標準仕様。
ぶつぶつと、なかなかかれの怒りは収まらなかった。そして、でも、かれは何枚かのほんとうのカンボジアの黄色い生糸で織ったIKTTのシルクの布を買って行ってくれた。
かれは、本当に布の好きな人。「テキスタイル ラバー」と、わたしが呼ぶ人たちである。

森本喜久男
更新日時 : 2007年07月12日 15:02



