IKTT
IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男

「蚕まつり」と「ファッションショー」のご案内

 少々早いアナウンスになりますが、今年の「蚕まつり」についてお知らせしておこうと思います。

 わたしたちIKTTは、「伝統の森」で、毎年9月の満月の日に「蚕まつり」を行なってきました。ご存知のとおり、わたしたちは、カンボジア伝統の絹織物を制作しています。そして、その絹織物を販売することで、わたしを含め400人以上の研修生たちの生活が成り立っています。いわば、お蚕さんに「食べさせて」もらっているのです。

 しかし、生糸を取るためには、お蚕さんを繭のまま釜茹でにします。つまり殺生をすることになります。カンボジアでは多くの人たちが敬虔な仏教徒です。仏教徒にとって、殺生はしてはならないことのひとつです。わたしが13年前、カンポットのタコー村で伝統的養蚕を再開しようとしたときも、村びとのなかから「殺生するのはいや」という声がありました。しかし、わたしは、これは無益な殺生ではないのだ、わたしたち自身がそれで生かされているのだ、と村びとたちに説明したのです。

 2003年7月、「伝統の森」で養蚕が始まり、はじめて生糸ができたとき、わたしはそのことを思い出しました。そして、わたしたちがこの地でアンコールの神がみに生かされていることに感謝し、さらにはお蚕さんに生かされていることに感謝して、蚕を供養をしようと思い立ちました。古い中国の資料にも、蚕を祭る儀式があったことが記されています。日本やベトナムには、蚕寺があるそうです。養蚕が盛んだったところでは、蚕を祭る習慣があっても不思議ではありません。

 2004年から伝統の森の村で、9月の満月の日に「蚕まつり」を催すことにしました。午前中は、お蚕さんを供養する儀式を行ない、IKTTの研修生全員で昼食をとります。食事の準備もみんなで分担して行ないます。食事のあとは、青空ディスコで盛り上がるのが定番となりました。

 今年は、9月15日がその満月の日です。

 さらに今年は、その前夜祭として「伝統の森」でファッションショーを9月14日の夜、伝統の森で開催しようと考えています。

 これまでカンボジアシルクフォーラムという団体の主催で、シエムリアップのグランドホテルを会場にして、アンコールシルクフェアが開催されてきました。カンボジアシルクフォーラムというのは、カンボジア国内のシルクに関係する団体(養蚕を支援するNGOから、絹織物を制作販売する会社、テキスタイルデザイナー、そしてアンティークシルクを販売するショップなど)によって設立された、カンボジアシルクのプロモーションを行なう団体です。そして、シルクフェアのメインイベントともいえるのがファッションショーでした。IKTTも、2回目以降、このファッションショーに参加してきました。プロのモデルではなく、その基本にあるのは「自分たちが織り上げた布を自分たちでまとって、ステージに立つ」ということです。自分たちの作っているものは、こんなにもすばらしいものなのだということを、IKTTのひとりひとりにも理解してほしいからです。

 しかし、4回まで続いたアンコールシルクフェアのファッションショーも今年の2008年は開催できずにいます。シルクフォーラムのメンバーの足並みが乱れてきたことが原因です。そこで今年は、IKTTだけで独自にファッションショーを開催しようと考えているというわけです。

 みまさま、「伝統の森」の蚕まつりに、そして「伝統の森」のファッションショーにぜひともお越しください。 お待ちしております。

更新日時 : 2008年4月 2日 06:54

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