IKTT
IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男

【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所] Vol.107

2008/04/21___________________________________________________Vol.107
IKTT [INSTITUTE FOR KHMER TRADITIONAL TEXTILES]
______________________________________ http://iktt.esprit-libre.org/

みなさま、IKTT(クメール伝統織物研究所)の森本喜久男です。

 4月のカンボジアのお正月も明け、田舎に里帰りしていたスタッフも職場
に少しづつ戻り始めた。最近のみんなの話題は、やはりあがり続ける物価。
米の値段がほぼ3倍から4倍。例年の昇給もそれにあわせて3倍4倍という
わけにはいかないが、一律10ドルから15ドルは昇給させることにした。
少しは足しになるだろうか。合計すれば4千ドル以上の給与支払いが増える
ことになる。決して楽なことではない。でも、研究所のみんなの仕事への熱
意をそぐことはできない。今日は、ひさしぶりに「伝統の森」で全体ミーテ
ィングをする予定。そんなみんなの熱意を問うために。
 この約一月半、わたしは森の桑畑を荒らしに来る水牛と闇夜の中を追いか
けっこしてきた。捕獲した水牛は7頭。とぼけて取り戻しにくる水牛の持ち
主に、次に侵入してきたら、返さないし殺して食べるからと警告。村の駐在
さんにもきてもらい、誓約書にサインをしてもらった。
 「伝統の森」に暮らす、研究所の若い衆たち。彼らと一緒に追いかけっこ
をしながら気がついたことがある。それは、彼らは兵隊と同じで、号令をか
けないと動かない。というよりは動けない。彼ら自身が兵隊の経験があるわ
けではないが、彼らの父親がそうで、それを見ながら育ってきたのだろう。
だから、号令がないと眼の前を水牛が歩いていようと、何もしない。これも
長い内戦の後遺症といえなくもない。
 これまで「伝統の森」の桑畑は、外から侵入してくる水牛や牛に、荒らさ
れ続けてきた。この悪循環を断つためのミーティングでもある。IKTTの
「伝統の森」の住人の一部に、これらの水牛の持ち主とつながっている者も
いることがわかってきた。闇夜に紛れて、外に通じる扉を開けている。そん
な彼らへの反省を促すことも含めての会議。
 昨年のこの時期は、森の木を切って売る住人がいた。そして、そんな彼ら
がいなくなり、今年は水牛に桑の葉を食べさせる住人。「伝統の森」の、新
たなステージに向け、更なるステップアップを願いながら、正月も返上して
闇夜の森の中を走ってきた。そんな日々も、これで一段落。
 そのおかげか森の住人たちへの号令のコツを会得してしまった森本です。


(1)「伝統の森」最新映像がご覧になれます
 TBS系列で4月26日(土)に放送予定の「日立 世界ふしぎ発見!」
が「黄金の大地カンボジア もうひとつの邪馬台国の謎」と題して、カンボ
ジアを取り上げます。先日、そのための取材撮影が「伝統の森」で行なわれ
ました。どのようなかたちで取り上げられるのかは、まだわからないのです
が、番組のなかで「伝統の森」の最新映像が垣間見られることと思います。
どうぞご期待ください。
▼「日立 世界ふしぎ発見!」番組予告
http://www.tbs.co.jp/f-hakken/info.html


(2)リヨンでのエキシビションのご案内
 5月に、再び渡仏することになりました。今度は、パリではなくリヨンへ
向かいます。前回同様、フランスの旅行会社アジア・ボヤージが主催するギ
ャラリー「エスパスアジア」で、IKTTの絣布を中心としたエキシビジョ
ンが行なわれ、その展示準備とオープニングに立ち会うためです。
 会期は5月10日から7月15日までの8週間の予定です。リヨンは、フ
ランスのシルク生産と養蚕の地。あまり時間的余裕はありませんが、シルク
関連の施設や博物館なども訪れてみたいと思っています。皆様のお知り合い
などいらっしゃいましたら、ご案内していただければ幸いです。
□ L'ESPACE ASIA / ASIA VOYAGES
□ address: 46, rue du President Edouard Herriot, 69002 Lyon
□ phone: 0033(0) 4 78 38 30 40
□ email: lyon@asia.fr


(3)バンコク・エアウェイズの機内誌「fah Thai」で紹介されました
Bangkok Airwaysの機内誌「fah Thai」の3-4月号(March-April 2008)で、
タイ・ラオス・ベトナムのシルク関係者とともに紹介されています。英語版
ではありますが、この春休みにバンコク・エアウェイズに搭乗する機会のあ
る方はぜひともご覧ください。以下のサイトでも、ご覧いただけます。
▼「fah Thai」March-April 2008
http://fahthaimagazine.com/2008/03/01/spools-of-thought/


(4)「週刊朝日」3月28日増大号(18日発売)で紹介されました。
3月18日(火)発売の「週刊朝日」3月28日増大号の、ブックコーナー
(週刊図書館)の「ひと」欄で紹介されました。図書館等でご覧ください。
▼「週刊朝日」3月28日増大号(の表紙と目次がご覧になれます)
http://opendoors.asahi.com/data/detail/9236.shtml


(5)3月4日の読売新聞朝刊「顔」欄で紹介されました
 3月4日の読売新聞(朝刊)の「顔」欄で紹介されました。「滅びかけた
クメールかすりを再生した西陣友禅職人」、もうひとつの見出しには「布が
私を呼んでいた」とあります。図書館等でご覧ください。


(6)『カンボジア絹絣の世界』発売中
 『カンボジア絹絣の世界〜アンコールの森によみがえる村』が、NHKブ
ックスから発売になりました。前著『メコンにまかせ』から10年、ようや
くかたちにすることができました。多くの方たちから、続編は出さないのか
とたずねられておりましたから、これでようやく肩の荷がひとつ下ろせたよ
うな気がしております。
 早いもので、IKTTを設立してから12年になります。この『カンボジ
ア絹絣の世界』には、これまでわたしたちが取り組んできたこと、現在のI
KTTの状況、そして「伝統の森」再生計画が目指していることなどについ
て、かなりくわしく書いたつもりです。染め織りに関する描写もできるだけ
書き込みました。巻末には「IKTTの絣布ができるまで」と題し、桑の苗
を育て、養蚕をし、生糸を引き、それを括り、染め、織り上げるまでの工程
を、写真とともに簡潔に説明したページもつきました。本文中には「伝統の
森」の位置をプロットした「シエムリアップ周辺図」と、現状でいちばん詳
細な「伝統の森」の見取図も掲載されています。
 前著『メコンにまかせ』は、わたしがタイを訪れ、黄金の生糸に出会い、
そして東北タイの村びとたちと試行錯誤しながら染め織りを手がけてきたこ
とと、カンボジアユネスコのコンサルタントとして「カンボジア絹織物の現
状調査」を担当したことで、カンボジアの伝統織物が置かれた現状を知り、
その結果としてタコー村で伝統的養蚕の復活プロジェクトに取り組み、そし
てIKTTを設立するに至るまでのことが記されています。いわば、IKT
T前史とでもいえる内容でした。
 今回の『カンボジア絹絣の世界〜アンコールの森によみがえる村』が出版
されたことで、IKTTは何をやっているところなのか、そして森本はこれ
から何をしようとしているのか、というみなさまの疑問に対する、ひとつの
回答とさせていただけるのではないかと思っております。
 お近くの書店でお求めになり、お読みいただければ、幸いです。
□ 書 名:『カンボジア絹絣の世界〜アンコールの森によみがえる村』
□ 著 者:森本喜久男
□ 発行元:NHK出版(NHKブックス1102)
□ 価 格:970円(+税)
□ ISBN:978−4−14−091102−0 C1339


(7)『カンボジア絹絣の世界』をご紹介いただきました
 インターネット新聞JanJan2月4日付の編集便り(編集委員時評)
で、「カンボジアの手仕事の森をよみがえらせる」と題して『カンボジア絹
絣の世界』が紹介されています。編集委員の山本眞人さんには、以前にもイ
ンターネット新聞JanJanで「カンボジア染織の『復興支援』」と題す
る連載記事を掲載していただきました。山本さん、ありがとうございます。
▼インターネット新聞JanJan(2月4日付の編集便り)
http://www.news.janjan.jp/editor/0802/0802040157/1.php


(8)"FRONTLINE/WORLD"ウェブサイト公開のご案内
アメリカの公共テレビ局PBSの「FRONTLINE/WORLD」というドキュメンタリー
番組で私たちクメール伝統織物研究所が紹介されました。「Cambodia: The
Silk Grandmothers 」というタイトルでまとめられています(英語版の番組
ですが、わたしはインタビューに日本語で答えています)。この番組は、ウ
ェブサイト上でも公開されています(約13分)。以下のURLから、ご覧に
なれるはずです(再生にはQuicktimeあるいはRealplayerが必要とのこと)
▼「Cambodia: The Silk Grandmothers」
http://www.pbs.org/frontlineworld/rough/2007/06/cambodia_the_si.html


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★★ショップ&ギャラリーの営業時間のご案内★★
シエムリアップのIKTTのショップ&ギャラリーの営業時間は朝8時から
夕方6時まで(年中無休)です。工房の見学を希望されるかたは、平日の朝
9時から夕方5時まで(正午から午後2時までは昼休み、日曜日はお休み)
の間にお越しください(できるだけ事前にご予約をお願いします)。

★★★シエムリアップ・IKTTまでの歩き方★★★
オールドマーケット(プサー・チャー)の南側にあるタ・プローム・ホテル
の玄関前に立ち、右斜め前の方向に、道路を挟んで流れるトンレサップ川に
沿って進みます。川岸には遊歩道が整備がされています。道なりに(つまり
川に沿って)歩くこと5〜6分で、右手前方に「クメール伝統織物研究所」
と日本語と英語で書かれた看板が見えてきます。ここがIKTTです。(左
側にクロコダイルファームの看板が見えたら行き過ぎてしまいました。お戻
りください)

★★★★ピアックスナエン・「伝統の森」への道のり★★★★
「伝統の森」は、シエムリアップの町から北へ約30キロ、車で約1時間の
ところにあります。アンコールワットを右に見て進み、アンコールトムの南
大門をくぐり四面仏の尊顔が微笑むバイヨン寺院を通り越し、さらに北へ。
プリアカン寺院の門前を過ぎて道路が大きく右にカーブした先に、左に折れ
る一本道が現われます。この道を約10キロ、途中何度か川を渡り、左手の
木立の間にお寺が見えたらすぐ先の道を右へ。曲がり角に設置してあるIK
TTとMORIMOTOの名前の入った緑色の看板を確認してください。こ
こから約4キロ、ふたたび川を渡り、しばらく行くと右手に「伝統の森」の
入口が現われます。シエムリアップの町から「伝統の森」まで、タクシーで
往復40〜50ドルが相場です(シエムリアップ基点で請求されるので片道
でも料金は同じです)。なお、『カンボジア絹絣の世界』p.116 にある「シ
エムリアップ周辺図」にも「伝統の森」の位置がプロットされております。
こちらも参考にしてください。

2008年4月21日
クメール伝統織物研究所 森本喜久男

●発行
IKTT (INSTITUTE FOR KHMER TRADITIONAL TEXTILES)
No. 472, Viheachen Village, Svaydongkum Commune,
(Road to lake, near the crocodile farm)
P.O. Box 9349, Siem Reap Angkor, Kingdom of Cambodia

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※このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』
 を利用して発行されております。【 http://www.mag2.com/ 】
mag2 ID: 0000070073
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更新日時 : 2008年4月21日 12:30

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