IKTT
IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男

【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.114

2008/06/07___________________________________________________Vol.114 IKTT [INSTITUTE FOR KHMER TRADITIONAL TEXTILES] ______________________________________ http://iktt.esprit-libre.org/

みなさま、IKTT(クメール伝統織物研究所)の森本喜久男です。

◎未来を担う子どもたち
 「伝統の森」で、2人の男の子が生まれた。
 この数ヶ月ですでに4人。そしてあと1ヶ月の間に、4人の子どもが生ま
れる予定である。計8人の赤ん坊が、「伝統の森」で誕生することになる。
「伝統の森」で、最初に生まれた男の子、一太郎はすでに4歳。もう20人
を超えるのではないだろうか。
 そして、最近の結婚ラッシュ。すでにいる子どもを含めると、40人を超
える子どもたちが「伝統の森」で走り回っている。わたしは、生まれてくる
子どもたちのお父さんが、まだ子どもだった頃、カンポットやタケオの村を
訪ね、そのまたお父さんやおじいちゃんたちと一緒に伝統の織物の復元に取
り組んできた。そしていま、「伝統の森」には、そんな15歳から70歳の
三世代の人たちが一緒に仕事をしながら暮らしている。そして、生まれてき
た子どもたちは、第4世代に相当する。
 最近「伝統の森」でも、寺小屋教室でのクメール語の読み書きや算数以外
に、お絵かき組み予備軍の養成が始まった。オープンのアートスクール、ラ
イブラリーに好きなときに来て、絵を描き、本を読める。そんな環境を、子
どもたちに提供し始めた。
 そして、その周りで遊ぶもっと小さな子どもたち。ある種の英才教室かも
しれない。根気の続かない子はすぐにおしゃべりやほかの遊びに熱中する。
 でも、それもあり。人間の才能はどこに隠されているかわからない。牛の
世話も子どもたちに任せている。絵に熱中できない子も、子牛の世話には夢
中になる。大工組のお父さんの横で、見よう見まねでのこぎりで木を切ろう
としたり、カナヅチで釘を打つ子、それぞれの世界がある。そんな子どもた
ちを、横目で見ながら働くお母さんたち。
 みな、伝統の森の未来を担う子どもたちである。


(1)『カンボジア絹絣の世界』が取り上げられました
 6月5日発売になった雑誌「チルチンびと」49号(2008年7月号)
の書評欄で『カンボジア絹絣の世界』が紹介されました。
 この雑誌に連載コラムを持つ建築家の泉幸甫さんは、以前、わたしがNH
Kラジオ深夜便に出演したときの放送を耳にして、わざわざシェムリアップ
まで訪ねていらっしゃった方でした。

▼「チルチンびと」49号
http://www.fudosha.com/publication/chilchinbito/cb/cb_049/cb049.html


(2)『カンボジア絹絣の世界』発売中
 『カンボジア絹絣の世界〜アンコールの森によみがえる村』が、NHKブ
ックスから発売になりました。前著『メコンにまかせ』から10年、ようや
くかたちにすることができました。多くの方たちから、続編は出さないのか
とたずねられておりましたから、これでようやく肩の荷がひとつ下ろせたよ
うな気がしております。
 早いもので、IKTTを設立してから12年になります。この『カンボジ
ア絹絣の世界』には、これまでわたしたちが取り組んできたこと、現在のI
KTTの状況、そして「伝統の森」再生計画が目指していることなどについ
て、かなりくわしく書いたつもりです。染め織りに関する描写もできるだけ
書き込みました。巻末には「IKTTの絣布ができるまで」と題し、桑の苗
を育て、養蚕をし、生糸を引き、それを括り、染め、織り上げるまでの工程
を、写真とともに簡潔に説明したページもつきました。本文中には「伝統の
森」の位置をプロットした「シエムリアップ周辺図」と、現状でいちばん詳
細な「伝統の森」の見取図も掲載されています。
 前著『メコンにまかせ』は、わたしがタイを訪れ、黄金の生糸に出会い、
そして東北タイの村びとたちと試行錯誤しながら染め織りを手がけてきたこ
とと、カンボジアユネスコのコンサルタントとして「カンボジア絹織物の現
状調査」を担当したことで、カンボジアの伝統織物が置かれた現状を知り、
その結果としてタコー村で伝統的養蚕の復活プロジェクトに取り組み、そし
てIKTTを設立するに至るまでのことが記されています。いわば、IKT
T前史とでもいえる内容でした。
 今回の『カンボジア絹絣の世界〜アンコールの森によみがえる村』が出版
されたことで、IKTTは何をやっているところなのか、そして森本はこれ
から何をしようとしているのか、というみなさまの疑問に対する、ひとつの
回答とさせていただけるのではないかと思っております。
 お近くの書店でお求めになり、お読みいただければ、幸いです。
□ 書 名:『カンボジア絹絣の世界〜アンコールの森によみがえる村』
□ 著 者:森本喜久男
□ 発行元:NHK出版(NHKブックス1102)
□ 価 格:970円(+税)
□ ISBN:978−4−14−091102−0 C1339


(3)リヨンでのエキシビションが始まりました
 フランスの旅行会社アジア・ボヤージが主催するギャラリー「エスパスア
ジア」での、IKTTの絣布を中心としたエキシビジョンがリヨンで始まり
ました。会期は5月21日から7月15日までの8週間です。皆様のお知り
合いなどいらっしゃいましたら、ご案内していただければ幸いです。
□ L'ESPACE ASIA / ASIA VOYAGES
□ address: 46, rue du President Edouard Herriot, 69002 Lyon
□ phone: 0033(0) 4 78 38 30 40
□ email: lyon@asia.fr


(4)"FRONTLINE/WORLD"ウェブサイト公開のご案内
アメリカの公共テレビ局PBSの「FRONTLINE/WORLD」というドキュメンタリー
番組で私たちクメール伝統織物研究所が紹介されました。「Cambodia: The
Silk Grandmothers 」というタイトルでまとめられています(英語版の番組
ですが、わたしはインタビューに日本語で答えています)。この番組は、ウ
ェブサイト上でも公開されています(約13分)。以下のURLから、ご覧に
なれるはずです(再生にはQuicktimeあるいはRealplayerが必要とのこと)
▼「Cambodia: The Silk Grandmothers」
http://www.pbs.org/frontlineworld/rough/2007/06/cambodia_the_si.html


____________________ I N F O R M A T I O N _________________________

★★ショップ&ギャラリーの営業時間のご案内★★
シエムリアップのIKTTのショップ&ギャラリーの営業時間は朝8時から
夕方6時まで(年中無休)です。工房の見学を希望されるかたは、平日の朝
9時から夕方5時まで(正午から午後2時までは昼休み、日曜日はお休み)
の間にお越しください(できるだけ事前にご予約をお願いします)。

★★★シエムリアップ・IKTTまでの歩き方★★★
オールドマーケット(プサー・チャー)の南側にあるタ・プローム・ホテル
の玄関前に立ち、右斜め前の方向に、道路を挟んで流れるトンレサップ川に
沿って進みます。川岸には遊歩道が整備がされています。道なりに(つまり
川に沿って)歩くこと5〜6分で、右手前方に「クメール伝統織物研究所」
と日本語と英語で書かれた看板が見えてきます。ここがIKTTです。(左
側にクロコダイルファームの看板が見えたら行き過ぎてしまいました。お戻
りください)

★★★★ピアックスナエン・「伝統の森」への道のり★★★★
「伝統の森」は、シエムリアップの町から北へ約30キロ、車で約1時間の
ところにあります。アンコールワットを右に見て進み、アンコールトムの南
大門をくぐり四面仏の尊顔が微笑むバイヨン寺院を通り越し、さらに北へ。
プリアカン寺院の門前を過ぎて道路が大きく右にカーブした先に、左に折れ
る一本道が現われます。この道を約10キロ、途中何度か川を渡り、左手の
木立の間にお寺が見えたらすぐ先の道を右へ。曲がり角に設置してあるIK
TTとMORIMOTOの名前の入った緑色の看板を確認してください。こ
こから約4キロ、ふたたび川を渡り、しばらく行くと右手に「伝統の森」の
入口が現われます。シエムリアップの町から「伝統の森」まで、タクシーで
往復40〜50ドルが相場です(シエムリアップ基点で請求されるので片道
でも料金は同じです)。なお、『カンボジア絹絣の世界』p.116 にある「シ
エムリアップ周辺図」にも「伝統の森」の位置がプロットされております。
こちらも参考にしてください。

2008年6月7日
クメール伝統織物研究所 森本喜久男

●発行
IKTT (INSTITUTE FOR KHMER TRADITIONAL TEXTILES)
No. 472, Viheachen Village, Svaydongkum Commune,
(Road to lake, near the crocodile farm)
P.O. Box 9349, Siem Reap Angkor, Kingdom of Cambodia

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※このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』
 を利用して発行されております。【 http://www.mag2.com/ 】
mag2 ID: 0000070073
Copyright (c) 2008 IKTT All rights reserved.

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更新日時 : 2008年6月 7日 18:51

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