IKTT
IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男

【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.116

2008/06/22___________________________________________________Vol.116 IKTT [INSTITUTE FOR KHMER TRADITIONAL TEXTILES] ______________________________________ http://iktt.esprit-libre.org/

みなさま、IKTT(クメール伝統織物研究所)の森本喜久男です。

◎アンコール時代の水門跡
 オーストラリアのシドニー大学の研究者を中心にしたGAPという名前の
グループが、例年のようにシアムリアップ川に隣接した地域で遺跡の発掘作
業を開始した。
 今年で3年目。遺跡の一部は、というかシアムリアップ川に隣接した地域
は、今回の考古学者の説明では人工的な建造物である可能性があるという。
ちょうど「伝統の森」の藍畑に隣接している、小さな小高い丘のようになっ
ているところ。見晴らしがよく、沼をはさんで対岸の工芸村エリアの家がよ
く見える。藍畑に行ったときには、しばらくそこで、一服。でも、その場所
も、もしかしたら、みたいな話である。ここに、小さな小屋でも立てようか
なと思っていたところである。
 これは、またこれからのお楽しみ(?)といえるのか。前回発掘された9
世紀から10世紀にかけての水門の跡に連なる建造物であるらしい。あらた
めて、アンコールの時代の人々が治水、灌漑事業に大変な力を注いでいたこ
とを、教えられる。
 何気ない風景。でも、そんななかに古代の人たちの営みが残されている。
GAPの人たちの発掘作業を見ながら、あらためてそんなことを感じた。


(1)「トライ!ロシナンテス 〜スーダン・川原尚行の挑戦〜」
 もうまもなくの放送になってしまいますが、スーダンで活動を続けている
川原尚行医師を取材したドキュメンタリー番組が西日本地区(RKB毎日放
送ほか)で放送になります。
 わたし自身は川原医師との面識はないのですが、2003年に福岡市美術
館で開催された「カンボジアの染織」展にあわせて「カンボジアの絹絣に魅
せられて」というTVドキュメンタリーを制作した、寺嶋修二さんの手によ
るものです。

▼「トライ!ロシナンテス 〜スーダン・川原尚行の挑戦〜」
http://www.e-jnn.com/move/index_f.html

【放送時間】
6月22日(日) 24:50〜 RKB毎日放送
6月23日(月) 25:00〜 南日本放送
6月26日(木) 26:15〜 琉球放送
6月25日(水) 25:55〜 熊本放送
6月23日(月) 24:30〜 長崎放送
6月29日(日) 25:20〜 大分放送
6月26日(木) 10:50〜 宮崎放送


(2)『カンボジア絹絣の世界』発売中
 『カンボジア絹絣の世界〜アンコールの森によみがえる村』が、NHKブ
ックスから発売になりました。前著『メコンにまかせ』から10年、ようや
くかたちにすることができました。多くの方たちから、続編は出さないのか
とたずねられておりましたから、これでようやく肩の荷がひとつ下ろせたよ
うな気がしております。
 早いもので、IKTTを設立してから12年になります。この『カンボジ
ア絹絣の世界』には、これまでわたしたちが取り組んできたこと、現在のI
KTTの状況、そして「伝統の森」再生計画が目指していることなどについ
て、かなりくわしく書いたつもりです。染め織りに関する描写もできるだけ
書き込みました。巻末には「IKTTの絣布ができるまで」と題し、桑の苗
を育て、養蚕をし、生糸を引き、それを括り、染め、織り上げるまでの工程
を、写真とともに簡潔に説明したページもつきました。本文中には「伝統の
森」の位置をプロットした「シエムリアップ周辺図」と、現状でいちばん詳
細な「伝統の森」の見取図も掲載されています。
 前著『メコンにまかせ』は、わたしがタイを訪れ、黄金の生糸に出会い、
そして東北タイの村びとたちと試行錯誤しながら染め織りを手がけてきたこ
とと、カンボジアユネスコのコンサルタントとして「カンボジア絹織物の現
状調査」を担当したことで、カンボジアの伝統織物が置かれた現状を知り、
その結果としてタコー村で伝統的養蚕の復活プロジェクトに取り組み、そし
てIKTTを設立するに至るまでのことが記されています。いわば、IKT
T前史とでもいえる内容でした。
 今回の『カンボジア絹絣の世界〜アンコールの森によみがえる村』が出版
されたことで、IKTTは何をやっているところなのか、そして森本はこれ
から何をしようとしているのか、というみなさまの疑問に対する、ひとつの
回答とさせていただけるのではないかと思っております。
 お近くの書店でお求めになり、お読みいただければ、幸いです。
□ 書 名:『カンボジア絹絣の世界〜アンコールの森によみがえる村』
□ 著 者:森本喜久男
□ 発行元:NHK出版(NHKブックス1102)
□ 価 格:970円(+税)
□ ISBN:978−4−14−091102−0 C1339


(3)リヨンでのエキシビションが始まりました
 フランスの旅行会社アジア・ボヤージが主催するギャラリー「エスパスア
ジア」での、IKTTの絣布を中心としたエキシビジョンがリヨンで始まり
ました。会期は5月21日から7月15日までの8週間です。皆様のお知り
合いなどいらっしゃいましたら、ご案内していただければ幸いです。
□ L'ESPACE ASIA / ASIA VOYAGES
□ address: 46, rue du President Edouard Herriot, 69002 Lyon
□ phone: 0033(0) 4 78 38 30 40
□ email: lyon@asia.fr


(4)"FRONTLINE/WORLD"ウェブサイト公開のご案内
アメリカの公共テレビ局PBSの「FRONTLINE/WORLD」というドキュメンタリー
番組で私たちクメール伝統織物研究所が紹介されました。「Cambodia: The
Silk Grandmothers 」というタイトルでまとめられています(英語版の番組
ですが、わたしはインタビューに日本語で答えています)。この番組は、ウ
ェブサイト上でも公開されています(約13分)。以下のURLから、ご覧に
なれるはずです(再生にはQuicktimeあるいはRealplayerが必要とのこと)
▼「Cambodia: The Silk Grandmothers」
http://www.pbs.org/frontlineworld/rough/2007/06/cambodia_the_si.html


____________________ I N F O R M A T I O N _________________________

★★ショップ&ギャラリーの営業時間のご案内★★
シエムリアップのIKTTのショップ&ギャラリーの営業時間は朝8時から
夕方6時まで(年中無休)です。工房の見学を希望されるかたは、平日の朝
9時から夕方5時まで(正午から午後2時までは昼休み、日曜日はお休み)
の間にお越しください(できるだけ事前にご予約をお願いします)。

★★★シエムリアップ・IKTTまでの歩き方★★★
オールドマーケット(プサー・チャー)の南側にあるタ・プローム・ホテル
の玄関前に立ち、右斜め前の方向に、道路を挟んで流れるトンレサップ川に
沿って進みます。川岸には遊歩道が整備がされています。道なりに(つまり
川に沿って)歩くこと5〜6分で、右手前方に「クメール伝統織物研究所」
と日本語と英語で書かれた看板が見えてきます。ここがIKTTです。(左
側にクロコダイルファームの看板が見えたら行き過ぎてしまいました。お戻
りください)

★★★★ピアックスナエン・「伝統の森」への道のり★★★★
「伝統の森」は、シエムリアップの町から北へ約30キロ、車で約1時間の
ところにあります。アンコールワットを右に見て進み、アンコールトムの南
大門をくぐり四面仏の尊顔が微笑むバイヨン寺院を通り越し、さらに北へ。
プリアカン寺院の門前を過ぎて道路が大きく右にカーブした先に、左に折れ
る一本道が現われます。この道を約10キロ、途中何度か川を渡り、左手の
木立の間にお寺が見えたらすぐ先の道を右へ。曲がり角に設置してあるIK
TTとMORIMOTOの名前の入った緑色の看板を確認してください。こ
こから約4キロ、ふたたび川を渡り、しばらく行くと右手に「伝統の森」の
入口が現われます。シエムリアップの町から「伝統の森」まで、タクシーで
往復40〜50ドルが相場です(シエムリアップ基点で請求されるので片道
でも料金は同じです)。なお、『カンボジア絹絣の世界』p.116 にある「シ
エムリアップ周辺図」にも「伝統の森」の位置がプロットされております。
こちらも参考にしてください。

2008年6月22日
クメール伝統織物研究所 森本喜久男

●発行
IKTT (INSTITUTE FOR KHMER TRADITIONAL TEXTILES)
No. 472, Viheachen Village, Svaydongkum Commune,
(Road to lake, near the crocodile farm)
P.O. Box 9349, Siem Reap Angkor, Kingdom of Cambodia

※当メールに掲載された記事を許可なく転載することを禁じます。
※このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』
 を利用して発行されております。【 http://www.mag2.com/ 】
mag2 ID: 0000070073
Copyright (c) 2008 IKTT All rights reserved.

◎メコンにまかせ
のバックナンバー・配信停止はこちら
⇒ http://archive.mag2.com/0000070073/index.html
このメールに返信すれば、発行者さんへ感想を送れます

更新日時 : 2008年6月22日 20:41

前後の記事:<< 【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.115 | 【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.117 >>
関連記事
【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.141(2009年3月11日)
【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.140(2009年2月 6日)
【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.139(2009年1月25日)
【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.138(2009年1月 4日)
【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.137(2008年12月21日)
【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.136(2008年12月15日)
【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.135(2008年12月 9日)
【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.134(2008年11月30日)
【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.133(2008年11月22日)
【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.132(2008年11月13日)