IKTT
IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男

【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.127

2008/09/28___________________________________________________Vol.127 IKTT [INSTITUTE FOR KHMER TRADITIONAL TEXTILES] ______________________________________ http://iktt.esprit-libre.org/

みなさま、IKTT(クメール伝統織物研究所)の森本喜久男です。
 トゥールーズでの展示会のために、これからフランスへ向かいます。

◎お盆の里帰り
 カンボジアはお盆。
 昨日から、31日まで。実際には二週間ほど前から始まっている。お寺に
行く人も多くなる。IKTTでも、タケオやカンポットからの遠距離組は、
みんなよりも早く村に向かった。ガソリン代の値上げで、バス代が軒並み値
上がり、みんなのグチの声が聞こえてくる。それでも、お盆の時期に田舎で
家族が顔をあわせる楽しさに、はやる気持ちがそれぞれの顔に表れている。
 半分は「伝統の森」の村に残った。そして、昨日あたりからお盆のチマキ
(オンソームという)を作り始めている。今朝も、そんな何家族からチマキ
が届いた。バナナの葉にくるまれたそれは日本のチマキとそっくり。でも、
しっかりとココナツミルクの甘みがある。以前、おいしくて、また食べたい
からもう一度作ってほしいといったら、来年の盆まで待てといわれた。そん
な、カンボジアの人たちの生活につながった風習としての食べ物。
 このお盆のあいだ、亡くなった人や家族が天から降りてくると信じられて
いる。そして、お盆のあいだ、家族と再会、また天に戻っていく。そのため
に、飾りがついた小さな灯篭が、お盆の最後の日に川にながされる。

◎雨にもめげず
 雨季も最後。例年のことなのだがシエムリアップ川の水位が上がり、シエ
ムリアップの作業所は一階部分が浸水、水の中。
 例年なら、10月のはじめにやってくるのだが、今年はなぜか9月の半ば
には浸水。数日で過ぎていくものが今年はもう1週間になる。もうしばらく
は、引きそうにない。これも自然の出来事、それさえも受け入れながら暮ら
す日々。
 伝統の森も沼の水位が上がり、道路も一部冠水している。第5エリアの野
菜畑への踏み板の仮設橋も水の中。1キロほどの遠い回り道をしなければな
らない。でも、野菜畑に暮らす家族は、足下30センチの水にめげずに、橋
を渡ってくる。
 森から一週間ぶりにやってきたシエムリアップ。驚いたことに、研究所の
外、いつもは車が停まっている所に、ござをひきみんなが仕事をしている。
いつもの場所は水の中だから、当然だが、でも見ているとみんな楽しそう。
お菓子を売る屋台も並び、ピクニック気分で仕事をしている。
 黄色いシルクがくるくると回る糸車。砂糖椰子の葉でかごを編む人たち。
そして、絣の括り組も、並んで仕事をしている。道路際での、デモンストレ
ーションのよう、通りかかる外国人の旅行者が足を止めて作業に見入ってい
る。そして、織り機の並ぶいつもの作業所では、足下20センチの水深にも
めげず、織り機にすわり、織りに励む織り手たち。
 そんな、いわば洪水?にもめげず楽しそうに仕事をする彼女たちの姿を見
ながらそのたくましさにあらためて感動してしまう。近くの電柱には、いつ
ものハンモックも揺れている。そして、笑い顔。


(1)法然院での展示・販売ならびに報告会の日程が決まりました
 秋の恒例となっております京都の法然院での展示会・報告会のスケジュー
ルが決まりました。今回は11月の21日(金)から23日(日)の3日間
です。わたしの現地報告会は23日の午後2時半からを予定しております。

□と き:11月21日(金)から23日(日)まで(展示と販売)
     10時〜16時(ただし、初日の21日は12時から)
     ★現地報告会は、23日(日)の午後2時半より。(先日の「蚕
     まつり」前夜祭として開催された、伝統の森でのファッションシ
     ョーの映像も上映する予定です)
□ところ:法然院
     京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町(TEL:075-771-2420)
     (京都駅から市バス5番、錦林車庫前下車徒歩10分)
     ▼法然院ホームページ
     http://www.honen-in.jp/


(2)「加古川平和のつどい」での講演会のお知らせ
 きたる10月13日(体育の日)に、兵庫県加古川市で講演をすることに
なりました。「加古川市世界連邦都市宣言50周年記念 加古川平和のつど
い」という行事において、記念講演を依頼されたのです。
 当日の式次第としては、14時に式典が始まり、何人かの挨拶・祝辞の後
わたしの講演になります。演題は「カンボジアの女性の自立を支援する」を
予定しています。その後、姜暁艶というかたの二胡の演奏もあります。会場
エントランスでは、IKTTで織り上げたシルクの展示も行ないます。関西
方面のみなさま、ぜひとも会場にお越しください。

□と き:2008年10月13日(祝)
□ところ:加古川市民会館 中ホール
     加古川市加古川町北在家2000(TEL:079-424-5381)
□行き方:JR山陽本線加古川駅よりバスで約5分
     (南側バス停3番のりばから「市役所前」下車)
     あるいはJR加古川駅より徒歩で約15分。
□問い合わせ先:世界連邦運動協会・加古川支部(TEL:079-424-3469)

▼加古川市民会館へのアクセス
http://www.city.kakogawa.hyogo.jp/index.cfm/11,4988,55,html


(3)フランス・トゥールーズでの展示会が始まりました
 パリ、リヨンに続き、アジア・ボヤージ主催するギャラリー「エスパスア
ジア」でのトゥールーズでの展覧会が始まりました。開催期間は9月12日
から2009年1月3日までです。ヨーロッパ在住の方、期間中に現地を訪
れる予定のある方、ぜひとも会場にお越しください。

□ L'ESPACE ASIA / ASIA VOYAGES
□ address: 1, rue Croix Baragnon, 31000 Toulouse
□ phone: 0033 (0) 5 61 14 51 50
□ email: toulouse@asia.fr


(4)「伝統の森」にショップがオープンしました
 新たに、「伝統の森」に、ショップがオープンしました(シエムリアップ
のショップ&ギャラリーが移転したわけではないので「伝統の森」にまで足
をのばす時間のない方は、これまでどおりシェムリアップのショップへお越
しください)。
 森のショップの営業時間は朝7時から夕方4時までです。お越しになる場
合は、できるだけ事前にご連絡をお願いいたします。
 なお、「伝統の森」では農作業が中心となるため、全体の作業開始が朝7
時、作業終了を4時としています(昼休みは11時から1時まで。日曜日は
森の仕事も工房もお休みです)。
 なお、現在のところ、「伝統の森」のショップではクレジットカードはご
利用になれませんので、あらかじめご了承ください(シエムリアップのショ
ップでは、クレジットカードもご利用いただけます)。


(5)『カンボジア絹絣の世界』発売中
 『カンボジア絹絣の世界〜アンコールの森によみがえる村』が、NHKブ
ックスから発売になりました。前著『メコンにまかせ』から10年、ようや
くかたちにすることができました。多くの方たちから、続編は出さないのか
とたずねられておりましたから、これでようやく肩の荷がひとつ下ろせたよ
うな気がしております。
 早いもので、IKTTを設立してから12年になります。この『カンボジ
ア絹絣の世界』には、これまでわたしたちが取り組んできたこと、現在のI
KTTの状況、そして「伝統の森」再生計画が目指していることなどについ
て、かなりくわしく書いたつもりです。染め織りに関する描写もできるだけ
書き込みました。巻末には「IKTTの絣布ができるまで」と題し、桑の苗
を育て、養蚕をし、生糸を引き、それを括り、染め、織り上げるまでの工程
を、写真とともに簡潔に説明したページもつきました。本文中には「伝統の
森」の位置をプロットした「シエムリアップ周辺図」と、現状でいちばん詳
細な「伝統の森」の見取図も掲載されています。
 前著『メコンにまかせ』は、わたしがタイを訪れ、黄金の生糸に出会い、
そして東北タイの村びとたちと試行錯誤しながら染め織りを手がけてきたこ
とと、カンボジアユネスコのコンサルタントとして「カンボジア絹織物の現
状調査」を担当したことで、カンボジアの伝統織物が置かれた現状を知り、
その結果としてタコー村で伝統的養蚕の復活プロジェクトに取り組み、そし
てIKTTを設立するに至るまでのことが記されています。いわば、IKT
T前史とでもいえる内容でした。
 今回の『カンボジア絹絣の世界〜アンコールの森によみがえる村』が出版
されたことで、IKTTは何をやっているところなのか、そして森本はこれ
から何をしようとしているのか、というみなさまの疑問に対する、ひとつの
回答とさせていただけるのではないかと思っております。
 お近くの書店でお求めになり、お読みいただければ、幸いです。
□ 書 名:『カンボジア絹絣の世界〜アンコールの森によみがえる村』
□ 著 者:森本喜久男
□ 発行元:NHK出版(NHKブックス1102)
□ 価 格:970円(+税)
□ ISBN:978−4−14−091102−0 C1339


(6)"FRONTLINE/WORLD"ウェブサイト公開のご案内
アメリカの公共テレビ局PBSの「FRONTLINE/WORLD」というドキュメンタリー
番組で私たちクメール伝統織物研究所が紹介されました。「Cambodia: The
Silk Grandmothers 」というタイトルでまとめられています(英語版の番組
ですが、わたしはインタビューに日本語で答えています)。この番組は、ウ
ェブサイト上でも公開されています(約13分)。以下のURLから、ご覧に
なれるはずです(再生にはQuicktimeあるいはRealplayerが必要とのこと)
▼「Cambodia: The Silk Grandmothers」
http://www.pbs.org/frontlineworld/rough/2007/06/cambodia_the_si.html


____________________ I N F O R M A T I O N _________________________

★ショップ&ギャラリーの営業時間のご案内★
シエムリアップのIKTTのショップ&ギャラリーの営業時間は朝8時から
夕方6時まで(年中無休)です。工房の見学を希望されるかたは、平日の朝
9時から夕方5時まで(正午から午後2時までは昼休み、日曜日はお休み)
の間にお越しください(できるだけ事前にご予約をお願いします)。

★★シエムリアップIKTTまでの歩き方★★
オールドマーケット(プサー・チャー)の南側にあるタ・プローム・ホテル
の玄関前に立ち、右斜め前の方向に、道路を挟んで流れるトンレサップ川に
沿って進みます。川岸には遊歩道が整備がされています。道なりに(つまり
川に沿って)歩くこと5〜6分で、右手前方に「クメール伝統織物研究所」
と日本語と英語で書かれた看板が見えてきます。ここがIKTTです。(左
側にクロコダイルファームの看板が見えたら行き過ぎてしまいました。お戻
りください)

★★★「伝統の森」ショップの営業時間のご案内★★★
新たに、「伝統の森」に、ショップがオープンしました。森のショップの営
業時間は、朝7時から夕方4時までです。年中無休ですが、お越しになる場
合は、できるだけ事前にご連絡をお願いいたします。(アクセス方法につい
ては、以下の「伝統の森」への道のりをご覧ください)
 なお、現在のところ、「伝統の森」のショップではクレジットカードはご
利用になれませんので、あらかじめご了承ください(シエムリアップのショ
ップでは、クレジットカードもご利用いただけます)。

★★★★ピアックスナエン・「伝統の森」への道のり★★★★
「伝統の森」は、シエムリアップの町から北へ約30キロ、車で約1時間の
ところにあります。アンコールワットを右に見て進み、アンコールトムの南
大門をくぐり四面仏の尊顔が微笑むバイヨン寺院を通り越し、さらに北へ。
プリアカン寺院の門前を過ぎて道路が大きく右にカーブした先に、左に折れ
る一本道が現われます。この道を約10キロ、途中何度か川を渡り、左手の
木立の間にお寺が見えたらすぐ先の道を右へ。曲がり角に設置してあるIK
TTとMORIMOTOの名前の入った緑色の看板を確認してください。こ
こから約4キロ、ふたたび川を渡り、しばらく行くと右手に「伝統の森」の
入口が現われます。
※2008年7月現在、シエムリアップの町から「伝統の森」までタクシー
で往復40〜50ドルが相場です(郊外に向かうタクシー料金は、シエムリ
アップ基点での往復運賃を請求されるので、片道でも料金は同じです)。な
お、シエムリアップからアンコール遺跡群へ向かう途中で立ち寄る通行証の
チェックゲートで「ピアックスナエンの養蚕の村へ行く」と説明すれば、通
行証を購入しなくてもゲートを通過できるはずです。
※『カンボジア絹絣の世界』p.116 の「シエムリアップ周辺図」にも、「伝
統の森」の位置がプロットされております。こちらも参考にしてください。

2008年9月28日
クメール伝統織物研究所 森本喜久男

●発行
IKTT (INSTITUTE FOR KHMER TRADITIONAL TEXTILES)
No. 472, Viheachen Village, Svaydongkum Commune,
(Road to lake, near the crocodile farm)
P.O. Box 9349, Siem Reap Angkor, Kingdom of Cambodia

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※このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』
 を利用して発行されております。【 http://www.mag2.com/ 】
mag2 ID: 0000070073
Copyright (c) 2008 IKTT All rights reserved.

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更新日時 : 2008年9月28日 21:00

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