IKTT
IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男

【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.136

2008/12/15___________________________________________________Vol.136 IKTT [INSTITUTE FOR KHMER TRADITIONAL TEXTILES] ______________________________________ http://iktt.esprit-libre.org/

みなさま、IKTT(クメール伝統織物研究所)の森本喜久男です。

●「森」での流行
 ここしばらく、森に来られる方が増えてきている。以前は、こんな辺ぴな
ところに来てもらえるか、という心配をしていただくことが多かった。
 道も悪い、大型トラックが走り道路はでこぼこになる。雨季には、あちら
こちらに水溜りができ、時にはドライバー泣かせのダンシングロードに。で
も、それにもめげずにたずねて来ていただくようになった。シエムリアップ
からの30キロ、悪路にもめげず、自転車でこられたドイツ人のご夫婦もい
る。感謝。うれしいこと、ほんとうにありがとうございます。
 個人でこられる方が多いなか、グループでの訪問者も増えてきている。日
本の大学生協を通じての、森でシルクのハンカチの絞り染色体験も人気があ
る。そして実際に染めや織り、畑仕事や蚕の世話など、いろんな仕事が待っ
ている。なかには、男連中にまじり、セメンをこねたりする作業に汗を流す
人や、炎天下で汗を拭き拭き、野菜畑で作業をされる方も。
 日本からだけではなく、最近もアメリカのジョージア州アトランタの芸術
大学の学生さんたちが。森で一日を過ごしながら、エクセレントやアメージ
ングの言葉が飛び交っている。こんなカンボジアの片田舎で、世界に誇れる
布が、人の手で自然の素材だけで作られていることに、そしてそこに暮らす
人々を見ながら、つい出てくる言葉。お絵かき組の女性をアトランタに研修
生として呼びたいという話まで出てきた。誰かな、最初に絵筆を持ってアメ
リカに渡るのは。
 そして、森で過ごすいちばんの人気は、森に暮らす、そしてお母さんと一
緒に来ている子どもたちと遊ぶこと。森の子どもたちは元気、一緒に自然の
中を走り回るひととき。
 でも最近の、もうひとつの流行は、何もしない時間をすごすことかもしれ
ない。走り回る子どもたちを横目で見ながら、ハンモックに揺られながらす
ごす。森や沼を抜けてくる風が気持ちいい。
 そして、伝統の森の沼に浮かぶ、トンレサップ湖の陸に揚がった漁師から
譲ってもらった小船でぷかぷか。わたしのお気に入りはこれ。
 荒地の中から育ったさまざまな種類の自然の木々。桑の木だけではなく、
アーモンドやマックルアーの染めに使う木も、今では大きく育っている。マ
ンゴーやジャックフルーツの木もたくさんの実をつけ始めている。ちょうど
この時期、マンゴーの花が咲くころ、たわわな花を咲かせている木もある。
その下で、子どもたちは実がなるときを思いながら、うれしそうな顔でその
小さな花を見上げている。
 アヒルやニワトリの数も、確実に増えている。最近、森の住人たちは自分
の家の横でまめに家庭菜園に精をだし、猫や犬などの小さな動物も飼うよう
になった。これが、最近の森での流行。赤ん坊もたくさん、本当にたくさん
生まれ、家族も増えながら、にぎやかな森での毎日がすぎていく。


(1)年末年始のご案内
 年末年始は、1月1日の元旦のみ、工房での作業がお休みになります。シ
エムリアップのショップは、年中無休で開いております。営業時間は朝8時
から夕方6時までです。みなさまのおいでをお待ちいたしております。


(2)「IKTTカレンダー2009」できました
 今年もIKTTジャパンのみなさんの協力で、IKTTの2009年のカ
レンダーができ上がりました。染師としてのわたしの本来の仕事でもある、
ローケツ染めの布の写真も入れていただきました。IKTTの活動を紹介す
るカレンダー、ぜひ皆様のそばにおいていただければ幸いです。
 価格は1000円、A5判(上下に広げ、A4判サイズで使用)という仕
様はこれまでと変わりません。
 IKTTジャパンのWebサイトでの注文受付も、まもなく開始します。
 昨年同様、東京都内では、神保町の「アジア文庫」、高円寺の「茶房・高
円寺書林」そして西荻窪の「信愛書店」での取り扱いも始まりました。

▼アジア文庫(千代田区神田神保町1−15内山ビル5階)
http://www.asiabunko.com/
▼茶房・高円寺書林(杉並区高円寺北3−34−2)
http://www.geocities.jp/fuzainoisu/shorin.top.html
▼信愛書店(杉並区西荻南2−24−15)
http://park12.wakwak.com/~tks/furhon.htm


(3)「伝統の森」の現在(いま)を伝えるDVD制作中
 2008年の9月14日と15日にわたって「伝統の森」で開催した、蚕
まつりとその前夜祭のファッションショーなどの映像を含む、「伝統の森」
の現在(いま)を紹介するDVDを現在制作中です。詳細については、追っ
てご案内することになりますが、年が明ける頃にはリリースできるよう、編
集作業を進めてもらっています。みなさま、ご期待ください。


(4)フランス・トゥールーズでの展示会、開催中
 パリ、リヨンに続き、アジア・ボヤージ主催するギャラリー「エスパスア
ジア」でのトゥールーズでの展覧会が開催中です。開催期間は9月12日か
ら2009年1月3日までです。ヨーロッパ在住の方、期間中に現地を訪れ
る予定のある方、ぜひとも会場にお越しください。

□ L'ESPACE ASIA / ASIA VOYAGES
□ address: 1, rue Croix Baragnon, 31000 Toulouse
□ phone: 0033 (0) 5 61 14 51 50
□ email: toulouse@asia.fr


(5)「伝統の森」にショップがオープンしました
 新たに、「伝統の森」に、ショップがオープンしました(シエムリアップ
のショップ&ギャラリーが移転したわけではないので「伝統の森」にまで足
をのばす時間のない方は、これまでどおりシェムリアップのショップへお越
しください)。
 森のショップの営業時間は朝7時から夕方4時までです。お越しになる場
合は、できるだけ事前にご連絡をお願いいたします。
 なお、「伝統の森」では農作業が中心となるため、全体の作業開始が朝7
時、作業終了を4時としています(昼休みは11時から1時まで。日曜日は
森の仕事も工房もお休みです)。
 なお、現在のところ、「伝統の森」のショップではクレジットカードはご
利用になれませんので、あらかじめご了承ください(シエムリアップのショ
ップでは、クレジットカードもご利用いただけます)。


(6)『カンボジア絹絣の世界』発売中
 『カンボジア絹絣の世界〜アンコールの森によみがえる村』が、NHKブ
ックスから発売になりました。前著『メコンにまかせ』から10年、ようや
くかたちにすることができました。多くの方たちから、続編は出さないのか
とたずねられておりましたから、これでようやく肩の荷がひとつ下ろせたよ
うな気がしております。
 この『カンボジア絹絣の世界』には、これまでわたしたちが取り組んでき
たこと、現在のIKTTの状況、そして「伝統の森」再生計画が目指してい
ることなどについて、かなりていねいに書いたつもりです。染め織りに関す
る描写もできるだけ書き込みました。巻末には「IKTTの絣布ができるま
で」と題し、桑の苗を育て、養蚕をし、生糸を引き、それを括り、染め、織
り上げるまでの工程を、写真とともに簡潔に説明したページもつきました。
本文中には「伝統の森」の位置をプロットした「シエムリアップ周辺図」と
現状でいちばん詳細な「伝統の森」の見取図も掲載されています。
 前著『メコンにまかせ』は、わたしがタイを訪れ、黄金の生糸に出会い、
そして東北タイの村びとたちと試行錯誤しながら染め織りを手がけてきたこ
とと、カンボジアユネスコのコンサルタントとして「カンボジア絹織物の現
状調査」を担当したことで、カンボジアの伝統織物が置かれた現状を知り、
その結果としてタコー村で伝統的養蚕の復活プロジェクトに取り組み、そし
てIKTTを設立するに至るまでのことが記されています。いわば、IKT
T前史とでもいえる内容でした。
 今回の『カンボジア絹絣の世界〜アンコールの森によみがえる村』が出版
されたことで、IKTTは何をやっているところなのか、そして森本はこれ
から何をしようとしているのか、というみなさまの疑問に対する、ひとつの
回答とさせていただけるのではないかと思っております。
 お近くの書店でお求めになり、お読みいただければ、幸いです。
□ 書 名:『カンボジア絹絣の世界〜アンコールの森によみがえる村』
□ 著 者:森本喜久男
□ 発行元:NHK出版(NHKブックス1102)
□ 価 格:970円(+税)
□ ISBN:978−4−14−091102−0 C1339


(7)"FRONTLINE/WORLD"ウェブサイト公開のご案内
アメリカの公共テレビ局PBSの「FRONTLINE/WORLD」というドキュメンタリー
番組で私たちクメール伝統織物研究所が紹介されました。「Cambodia: The
Silk Grandmothers 」というタイトルでまとめられています(英語版の番組
ですが、わたしはインタビューに日本語で答えています)。この番組は、ウ
ェブサイト上でも公開されています(約13分)。以下のURLから、ご覧に
なれるはずです(再生にはQuicktimeあるいはRealplayerが必要とのこと)
▼「Cambodia: The Silk Grandmothers」
http://www.pbs.org/frontlineworld/rough/2007/06/cambodia_the_si.html

____________________ I N F O R M A T I O N _________________________

★ショップ&ギャラリーの営業時間のご案内★
シエムリアップのIKTTのショップ&ギャラリーの営業時間は朝8時から
夕方6時まで(年中無休)です。工房の見学を希望されるかたは、平日の朝
9時から夕方5時まで(正午から午後2時までは昼休み、日曜日はお休み)
の間にお越しください(できるだけ事前にご予約をお願いします)。

★★シエムリアップIKTTまでの歩き方★★
オールドマーケット(プサー・チャー)の南側にあるタ・プローム・ホテル
の玄関前に立ち、右斜め前の方向に、道路を挟んで流れるトンレサップ川に
沿って進みます。川岸には遊歩道が整備がされています。道なりに(つまり
川に沿って)歩くこと5〜6分で、右手前方に「クメール伝統織物研究所」
と日本語と英語で書かれた看板が見えてきます。ここがIKTTです。(左
側にクロコダイルファームの看板が見えたら行き過ぎてしまいました。お戻
りください)

★★★「伝統の森」ショップの営業時間のご案内★★★
新たに、「伝統の森」に、ショップがオープンしました。森のショップの営
業時間は、朝7時から夕方4時までです。年中無休ですが、お越しになる場
合は、できるだけ事前にご連絡をお願いいたします。(アクセス方法につい
ては、以下の「伝統の森」への道のりをご覧ください)
 なお、現在のところ、「伝統の森」のショップではクレジットカードはご
利用になれませんので、あらかじめご了承ください(シエムリアップのショ
ップでは、クレジットカードもご利用いただけます)。

★★★★ピアックスナエン・「伝統の森」への道のり★★★★
「伝統の森」は、シエムリアップの町から北へ約30キロ、車で約1時間の
ところにあります。アンコールワットを右に見て進み、アンコールトムの南
大門をくぐり四面仏の尊顔が微笑むバイヨン寺院を通り越し、さらに北へ。
プリアカン寺院の門前を過ぎて道路が大きく右にカーブした先に、左に折れ
る一本道が現われます。この道を約10キロ、途中何度か川を渡り、左手の
木立の間にお寺が見えたらすぐ先の道を右へ。曲がり角に設置してあるIK
TTとMORIMOTOの名前の入った緑色の看板を確認してください。こ
こから約4キロ、ふたたび川を渡り、しばらく行くと右手に「伝統の森」の
入口が現われます。
※2008年7月現在、シエムリアップの町から「伝統の森」までタクシー
で往復40〜50ドルが相場です(郊外に向かうタクシー料金は、シエムリ
アップ基点での往復運賃を請求されるので、片道でも料金は同じです)。な
お、シエムリアップからアンコール遺跡群へ向かう途中で立ち寄る通行証の
チェックゲートで「ピアックスナエンの養蚕の村へ行く」と説明すれば、通
行証を購入しなくてもゲートを通過できるはずです。
※『カンボジア絹絣の世界』p.116 の「シエムリアップ周辺図」にも、「伝
統の森」の位置がプロットされております。こちらも参考にしてください。

2008年12月15日
クメール伝統織物研究所 森本喜久男

●発行
IKTT (INSTITUTE FOR KHMER TRADITIONAL TEXTILES)
No. 472, Viheachen Village, Svaydongkum Commune,
(Road to lake, near the crocodile farm)
P.O. Box 9349, Siem Reap Angkor, Kingdom of Cambodia

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※このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』
 を利用して発行されております。【 http://www.mag2.com/ 】
mag2 ID: 0000070073
Copyright (c) 2008 IKTT All rights reserved.
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更新日時 : 2008年12月15日 08:53

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