IKTT
IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男

【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.137

2008/12/21___________________________________________________Vol.137 IKTT [INSTITUTE FOR KHMER TRADITIONAL TEXTILES] ______________________________________ http://iktt.esprit-libre.org/

みなさま、IKTT(クメール伝統織物研究所)の森本喜久男です。

●一期一会
 乾季に入った12月。数日前に、満月だったからか、深夜の月の光が明る
い。
 わたしの英語版の「バイヨンの月」を読んだドイツ人の女性が、そんな月
に輝くバイヨン寺院を見たくて深夜、ガイドを連れてホテルを抜け出した。
しかし、完全に密封され、夜8時以降は地元の人も通行できなくなってしま
った最近のアンコールトムでは、残念ながらそんな美しいバイヨン寺院を見
る機会も
失われてしまった。
 しかし、あと数年したら、そんな月夜に輝くバイヨンを見るためのツアー
が企画されているかもしれない。やはり、この時期の陽が落ちる寸前の夕日
にあたり、黄金色といってもいいようなオレンジ色に輝くバイヨン寺院のト
ップもきれいだ。でも、それは数分間のドラマ。
 もう10年以上前になるが、日本のテレビの現地コーディネーターをさせ
ていただいていたとき、その話をディレクター氏にしたところ、どうしても
それが撮りたいという話になった。しかし、わずかでも雲がかかっていれば
そんなきれいな風景は見られることはない。一期一会、自然は生もの。撮影
の予定を調整して、数日バイヨンに通ったことがある。
 最近、インターネットのブログを見ていて、英語のチェンジとチャンスが
アルファベット表記で一文字しか違わないことを改めて知った。この言葉が
とても今の時代を言いえて妙な気がした。
 一万円を両替に行くと、US100ドルを超えた。これまでにも何度かあ
ったことだが、今回はその規模が大きい。世界が大きく揺れ動いている、そ
れは百年単位で変化していく歴史とでもいうのだろうか、今ちょうどそんな
時代にいるような気がする。
 織物の歴史を見ていくと、時代とともに変化していくものと、何百年何千
年経っても、変化しないものがあるように思う。変化しないものに「美」が
ある。美しいものは、いつの時代にも美しい。古代エジプトや南米のアステ
カ、そして中世のヨーロッパやペルシャ。それは、人の美に対する変わらぬ
思いのような気がする。
 しかしそれは、つねにあらたな美を求める人々の心に支えられた所作の結
果でもある。自然の布、それを生み出そうとする美意識。それは、布に対す
る価値の意識の変化の中での、あらたな挑戦とも言える。そんな時代、チャ
ンス、機会が今、確実に訪れて来ているのかも知れない。
 あらためて、一期一会。今は今しかない。今を生きること、そんなことを
ふと思っている。


(1)「伝統の森」のショップでのクレジットカードのご利用について
 ようやく「伝統の森」のショップでの、クレジットカードのご利用が可能
になりました。電話線も通じていない「森」のショップですので、少々お時
間がかかることもあるかと思いますが、なんとか対応できるようになりまし
た。みなさまのおいでをお待ちしております。


(2)年末年始のご案内
 IKTTのシエムリアップのショップは、1月1日の元旦もあわせ、年中
無休で開いております。営業時間は朝8時から夕方6時までです。「伝統の
森」のショップも営業いたします。
 1月1日の元旦のみ、工房での括りや織りの作業がお休みになります。


(3)「伝統の森」の現在(いま)を伝えるDVD制作中
 2008年の9月14日と15日にわたって「伝統の森」で開催した、蚕
まつりとその前夜祭のファッションショーなどの映像を含む、「伝統の森」
の現在(いま)を紹介するDVDを現在制作中です。詳細については、追っ
てご案内することになりますが、年が明ける頃にはリリースできるよう、編
集作業を進めてもらっています。みなさま、ご期待ください。


(4)フランス・トゥールーズでの展示会、開催中
 パリ、リヨンに続き、アジア・ボヤージ主催するギャラリー「エスパスア
ジア」でのトゥールーズでの展覧会が開催中です。開催期間は9月12日か
ら2009年1月3日までです。ヨーロッパ在住の方、期間中に現地を訪れ
る予定のある方、ぜひとも会場にお越しください。

□ L'ESPACE ASIA / ASIA VOYAGES
□ address: 1, rue Croix Baragnon, 31000 Toulouse
□ phone: 0033 (0) 5 61 14 51 50
□ email: toulouse@asia.fr


(5)「伝統の森」にショップがオープンしました
 新たに、「伝統の森」に、ショップがオープンしました(シエムリアップ
のショップ&ギャラリーが移転したわけではないので「伝統の森」にまで足
をのばす時間のない方は、これまでどおりシエムリアップのショップへお越
しください)。
 森のショップの営業時間は朝7時から夕方4時までです。お越しになる場
合は、できるだけ事前にご連絡をお願いいたします。
 なお、「伝統の森」では農作業が中心となるため、全体の作業開始が朝7
時、作業終了を4時としています(昼休みは11時から1時まで。日曜日は
森の仕事も工房もお休みです)。


(6)『カンボジア絹絣の世界』発売中
 『カンボジア絹絣の世界〜アンコールの森によみがえる村』が、NHKブ
ックスから発売になりました。前著『メコンにまかせ』から10年、ようや
くかたちにすることができました。多くの方たちから、続編は出さないのか
とたずねられておりましたから、これでようやく肩の荷がひとつ下ろせたよ
うな気がしております。
 この『カンボジア絹絣の世界』には、これまでわたしたちが取り組んでき
たこと、現在のIKTTの状況、そして「伝統の森」再生計画が目指してい
ることなどについて、かなりていねいに書いたつもりです。染め織りに関す
る描写もできるだけ書き込みました。巻末には「IKTTの絣布ができるま
で」と題し、桑の苗を育て、養蚕をし、生糸を引き、それを括り、染め、織
り上げるまでの工程を、写真とともに簡潔に説明したページもつきました。
本文中には「伝統の森」の位置をプロットした「シエムリアップ周辺図」と
現状でいちばん詳細な「伝統の森」の見取図も掲載されています。
 前著『メコンにまかせ』は、わたしがタイを訪れ、黄金の生糸に出会い、
そして東北タイの村びとたちと試行錯誤しながら染め織りを手がけてきたこ
とと、カンボジアユネスコのコンサルタントとして「カンボジア絹織物の現
状調査」を担当したことで、カンボジアの伝統織物が置かれた現状を知り、
その結果としてタコー村で伝統的養蚕の復活プロジェクトに取り組み、そし
てIKTTを設立するに至るまでのことが記されています。いわば、IKT
T前史とでもいえる内容でした。
 今回の『カンボジア絹絣の世界〜アンコールの森によみがえる村』が出版
されたことで、IKTTは何をやっているところなのか、そして森本はこれ
から何をしようとしているのか、というみなさまの疑問に対する、ひとつの
回答とさせていただけるのではないかと思っております。
 お近くの書店でお求めになり、お読みいただければ、幸いです。
□ 書 名:『カンボジア絹絣の世界〜アンコールの森によみがえる村』
□ 著 者:森本喜久男
□ 発行元:NHK出版(NHKブックス1102)
□ 価 格:970円(+税)
□ ISBN:978−4−14−091102−0 C1339


(7)"FRONTLINE/WORLD"ウェブサイト公開のご案内
アメリカの公共テレビ局PBSの「FRONTLINE/WORLD」というドキュメンタリー
番組で私たちクメール伝統織物研究所が紹介されました。「Cambodia: The
Silk Grandmothers 」というタイトルでまとめられています(英語版の番組
ですが、わたしはインタビューに日本語で答えています)。この番組は、ウ
ェブサイト上でも公開されています(約13分)。以下のURLから、ご覧に
なれるはずです(再生にはQuicktimeあるいはRealplayerが必要とのこと)
▼「Cambodia: The Silk Grandmothers」
http://www.pbs.org/frontlineworld/rough/2007/06/cambodia_the_si.html

____________________ I N F O R M A T I O N _________________________

★ショップ&ギャラリーの営業時間のご案内★
シエムリアップのIKTTのショップ&ギャラリーの営業時間は朝8時から
夕方6時まで(年中無休)です。工房の見学を希望されるかたは、平日の朝
9時から夕方5時まで(正午から午後2時までは昼休み、日曜日はお休み)
の間にお越しください(できるだけ事前にご予約をお願いします)。

★★シエムリアップIKTTまでの歩き方★★
オールドマーケット(プサー・チャー)の南側にあるタ・プローム・ホテル
の玄関前に立ち、右斜め前の方向に、道路を挟んで流れるトンレサップ川に
沿って進みます。川岸には遊歩道が整備がされています。道なりに(つまり
川に沿って)歩くこと5〜6分で、右手前方に「クメール伝統織物研究所」
と日本語と英語で書かれた看板が見えてきます。ここがIKTTです。(左
側にクロコダイルファームの看板が見えたら行き過ぎてしまいました。お戻
りください)

★★★「伝統の森」ショップの営業時間のご案内★★★
新たに、「伝統の森」に、ショップがオープンしました。森のショップの営
業時間は、朝7時から夕方4時までです。年中無休ですが、お越しになる場
合は、できるだけ事前にご連絡をお願いいたします。(アクセス方法につい
ては、以下の「伝統の森」への道のりをご覧ください)

★★★★ピアックスナエン・「伝統の森」への道のり★★★★
「伝統の森」は、シエムリアップの町から北へ約30キロ、車で約1時間の
ところにあります。アンコールワットを右に見て進み、アンコールトムの南
大門をくぐり四面仏の尊顔が微笑むバイヨン寺院を通り越し、さらに北へ。
プリアカン寺院の門前を過ぎて道路が大きく右にカーブした先に、左に折れ
る一本道が現われます。この道を約10キロ、途中何度か川を渡り、左手の
木立の間にお寺が見えたらすぐ先の道を右へ。曲がり角に設置してあるIK
TTとMORIMOTOの名前の入った緑色の看板を確認してください。こ
こから約4キロ、ふたたび川を渡り、しばらく行くと右手に「伝統の森」の
入口が現われます。
※2008年7月現在、シエムリアップの町から「伝統の森」までタクシー
で往復40〜50ドルが相場です(郊外に向かうタクシー料金は、シエムリ
アップ基点での往復運賃を請求されるので、片道でも料金は同じです)。な
お、シエムリアップからアンコール遺跡群へ向かう途中で立ち寄る通行証の
チェックゲートで「ピアックスナエンの養蚕の村へ行く」と説明すれば、通
行証を購入しなくてもゲートを通過できるはずです。
※『カンボジア絹絣の世界』p.116 の「シエムリアップ周辺図」にも、「伝
統の森」の位置がプロットされております。こちらも参考にしてください。

2008年12月21日
クメール伝統織物研究所 森本喜久男

●発行
IKTT (INSTITUTE FOR KHMER TRADITIONAL TEXTILES)
No. 472, Viheachen Village, Svaydongkum Commune,
(Road to lake, near the crocodile farm)
P.O. Box 9349, Siem Reap Angkor, Kingdom of Cambodia

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※このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』
 を利用して発行されております。【 http://www.mag2.com/ 】
mag2 ID: 0000070073
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◎メコンにまかせ
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更新日時 : 2008年12月21日 21:45

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