暖かいまなざしを
最近、伝統の森で、みんなの仕事ぶりを見ていてふと思うことがある。
それは、日々の仕事の流れのなかではIKTTのみんなが、それぞれの役割を自覚して、自律的に動いているということだ。一日わたしがあえて顔を出さなくても、作業は進んでいく。
幸いなことに、まだ達成できていない課題といえるものは山ほどあるにせよ、大きな心配事もとりあえずはすぎ、ある意味での安定した状態になってきたといえる。シエムリアップの作業所も含め、約350人からの、そしてその子供たちも入れれば、400人を超える人たちが動いているなかで、それはとてもうれしいことといえる。
来年で、研究所の活動も、95年から数えれば15年目になる。布の完成度はまだ決して十分ではない。もう一息のところにたどりつくまで、あと数年はかかるように思える。でも、あるレベルに達することができたことは間違いない。
先日、シエムリアップでカンボジアのシルク関係者の国レベルの集まりが商業省の大臣を迎えて開催された。その日の午後にはその関係者全員が、IKTTの伝統の森へ視察に来られた。そのときも、ナランやトールやガエットなどのIKTTの主要メンバーが視察者に自信をもって活動の紹介をしている。その姿を見ながら、その成長の姿をみながら、わたしは、不思議な達成感を感じていた。ほんとうにうれしいこと。
今年の初め、伝統の森で深夜に桑の葉を食べるために浸入してくる水牛を一人で追いかけていたことなど、もう昔話のような気がする。しかし、そんなここ数年のいくつかの内外の山を超えながら、いまここにたどり着くことができたのだと思う。
そして、2003年から数えて6年目の今年からは、伝統の森の住人たちと、伝統の森の村が、シエムリアップ州政府から正式に村として認可を受け住民票を起こし登録することができるようになった。何もない、荒地を開墾しながら作ってきた村、それが公的にも認められたことになる。これはたいへんうれしい出来事といえる。
でも、ことわざにあるように、ここで気を抜くことはできない、と思う。本当に自立した、伝統の森の村が、そのみんなの村が住人たち全員が胸を張れるような、そんな村にこれからしていきたいと思う。
これを読んでいただいている皆さんへ。
あらためてこれからもIKTTの活動への、暖かいまなざしを送っていただければと思う。
更新日時 : 2008年12月 1日 06:54


