IKTT
IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男

【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.139

2009/1/25____________________________________________________Vol.139 IKTT [INSTITUTE FOR KHMER TRADITIONAL TEXTILES] ______________________________________ http://iktt.esprit-libre.org/

みなさま、IKTT(クメール伝統織物研究所)の森本喜久男です。

●年4回もあるお正月
 今日25日は中国正月にあたる。ベトナムのお正月もおなじ。
 IKTTでも花と果物を飾り、お正月を祝う。IKTTの中でも、主力の
タケオ州からの織り手たちは、中国系の出自を持つ。そのせいか、この中国
正月に里帰りする人たちもいる。
 でもわたしは、中国正月に里帰りする人は、4月のカンボジアの正月には
里帰りはできないよという。そうでないと、年に2回もお正月が来ることに
なる。
 断食明けの12月には、イスラム系のチャムの人たちのお正月もある。わ
たしも招かれて定番のカレー料理をご馳走になる。そしてインターナショナ
ルな1月1日。そして中国正月に、4月のカンボジア正月。ここには計4回
のお正月があることになる。
 何人かのタケオ組の織り手たちと、シエムリアップのベトナム系ともいえ
る中国系の人たちと、お正月を祝った。爆竹はないけれど、みんなで、偽の
100ドル札や金もどきの紙を火にくべ、新しい年に福がたくさん来ること
を祈る。燃やしたお金が倍になって返ってくるといいながら、でも真剣に楽
しそうに過ごしている。
 シエムリアップの町は、例年より静かなような気がする。やはり世界の金
融不安がこの町にも波及してきているのかもしれない。一時の土地バブルが
はじけ始めた、といううわさも聞くようになった。数日前の市場での、正月
用の花売りも例年ほどに活気がないように見えた。
 IKTTには、本当にいろんな地域からいろんな背景を持った人たちが集
まり、布を作っている。そんな、それぞれの異なる文化や思いが融合しなが
ら、あたらしい布の世界を生み出していく。だから、わたしは年に4回の正
月を、それぞれの人たちとともに祝っている。そのために、小さな子どもた
ちへのお年玉も、4回分用意しなければならない。
 混沌と融合。これはそれぞれの時代のキーワードでもある。混沌があって
はじめて、その融合が新たな美の創造につながる。そのために、この混沌を
生き抜く力、エネルギーをIKTTのみんなが身につけていければいいと思
う。
 オモチャのような偽米ドルをみんなと燃やしながら、そんなことを願って
いた。


(1)大阪「ギャラリーゆう」での展示・販売のご案内
 大阪のドーンセンター1階の「ギャラリーゆう」において、IKTTの布
の展示と販売が始まりました。期間は、2月8日(日)までです(月曜日は
休館)。1月31日(土)には、IKTTジャパンのメンバーによるギャラ
リートークも予定されています。
 このギャラリートークに併せ、会場では9月に「伝統の森」で行なわれた
ファッションショーのDVDのお披露目上映も行なう予定です。
※ご注意※
「ギャラリーゆう」の開設時間は、平日(火曜〜金曜)は11時から19時
まで、土曜と日曜は11時〜18時30分までになります。

【展示と販売】
□と き:1月14日(水)〜2月8日(日)[月曜美は休館]
     11時〜19時[火〜金]/11時〜18時30分[土・日]
【ギャラリートーク】
□と き:1月31日(日)15時から(14時からビデオ上映を予定)
□ところ:ドーンセンター(大阪府立女性総合センター)
     大阪市中央区大手前1−3−49
□会場へのアクセス:
天満橋駅(京阪/地下鉄谷町線)1番出口より東へ約350m、または大阪
城北詰駅(JR東西線)2番出口より、土佐堀通り沿いに西へ約550m。

▼会場(ドーンセンター)へのアクセス
http://www.dawncenter.or.jp/shisetsu/map.html


(2)雑誌「フォートラベル」で伝統の森が紹介されています
 1月9日発売の角川メディアハウスのトラベルコミュニティマガジン「フ
ォートラベル」(vol.1)で、「伝統の森」が紹介されています。巻末のプ
レゼントコーナーでは、IKTTのシルクスカーフとハンカチ(4点)をセ
ットにした読者プレゼント(1名)もあります。

▼雑誌「フォートラベル」
http://4travel.jp/sp/magazine/


(3)Gillian Green著「PICTORIAL CAMBODIAN TEXTILES」出版のご案内
 タイの出版社 Rever Booksから「PICTORIAL CAMBODIAN TEXTILES」という
カンボジアのピダンに関する書籍が出版されました。著者の Gillian Green
は「TRADITIONAL TEXTILES OF CAMBODIA」を著しているオーストラリアの研
究者です。
 本書の最後の章は、Contemporary Pictorial Textiles と題して1990
年以降の、つまり現代のカンボジアのピダンについて触れています。そこで
は、IKTTの活動にも触れられていて、研究所の括りの名手スレンさんの
手によるピダンの写真が2枚、掲載されています。
 この「PICTORIAL CAMBODIAN TEXTILES」、シエムリアップ市内では、FC
Cブックショップや、オールドマーケット近くのシエムリアップブックセン
ターで入手できると思います。

▼Rever Books(リバーブックス)
http://www.riverbooksbk.com/books/catalog/index.php?cPath=28


(4)「IKTTカレンダー2009」できました
 今年もIKTTジャパンのみなさんの協力で、IKTTの2009年のカ
レンダーができ上がりました。染師としてのわたしの本来の仕事でもある、
ローケツ染めの布の写真も入れていただきました。IKTTの活動を紹介す
るカレンダー、ぜひ皆様のそばにおいていただければ幸いです。
 価格は1000円、A5判(上下に広げ、A4判サイズで使用)という仕
様はこれまでと変わりません。
 なお、昨年と同様、東京都内では神保町「アジア文庫」、高円寺「茶房・
高円寺書林」そして西荻窪「信愛書店」でも取り扱っていただいています。

▼アジア文庫(千代田区神田神保町1−15内山ビル5階)
http://www.asiabunko.com/
▼茶房・高円寺書林(杉並区高円寺北3−34−2)
http://www.geocities.jp/fuzainoisu/shorin.top.html
▼信愛書店(杉並区西荻南2−24−15)
http://park12.wakwak.com/~tks/furhon.htm


(5)「伝統の森」にショップがオープン
 「伝統の森」に、ショップがオープンしました(シエムリアップのショッ
プ&ギャラリーが移転したわけではないので「伝統の森」にまで足をのばす
時間のない方は、これまでどおりシエムリアップのショップへお越しくださ
い)。
 森のショップの営業時間は朝7時から夕方4時までです。お越しになる場
合は、できるだけ事前にご連絡をお願いいたします。
 なお、「伝統の森」では農作業が中心となるため、全体の作業開始が朝7
時、作業終了を4時としています(昼休みは11時から1時まで。日曜日は
森の仕事も工房もお休みです)。


(6)『カンボジア絹絣の世界』発売中
 『カンボジア絹絣の世界〜アンコールの森によみがえる村』が、NHKブ
ックスから発売中です。
 前著『メコンにまかせ』から10年、ようやくかたちにすることができま
した。多くの方たちから、続編は出さないのかとたずねられておりましたか
ら、これでようやく肩の荷がひとつ下ろせたような気がしております。
 この『カンボジア絹絣の世界』には、これまでわたしたちが取り組んでき
たこと、現在のIKTTの状況、そして「伝統の森」再生計画が目指してい
ることなどについて、かなりていねいに書いたつもりです。染め織りに関す
る描写もできるだけ書き込みました。巻末には「IKTTの絣布ができるま
で」と題し、桑の苗を育て、養蚕をし、生糸を引き、それを括り、染め、織
り上げるまでの工程を、写真とともに簡潔に説明したページもつきました。
本文中には「伝統の森」の位置をプロットした「シエムリアップ周辺図」と
現状でいちばん詳細な「伝統の森」の見取図も掲載されています。
 前著『メコンにまかせ』は、わたしがタイを訪れ、黄金の生糸に出会い、
そして東北タイの村びとたちと試行錯誤しながら染め織りを手がけてきたこ
とと、カンボジアユネスコのコンサルタントとして「カンボジア絹織物の現
状調査」を担当したことで、カンボジアの伝統織物が置かれた現状を知り、
その結果としてタコー村で伝統的養蚕の復活プロジェクトに取り組み、そし
てIKTTを設立するに至るまでのことが記されています。いわば、IKT
T前史とでもいえる内容でした。
 今回の『カンボジア絹絣の世界〜アンコールの森によみがえる村』が出版
されたことで、IKTTは何をやっているところなのか、そして森本はこれ
から何をしようとしているのか、というみなさまの疑問に対する、ひとつの
回答とさせていただけるのではないかと思っております。
 お近くの書店でお求めになり、お読みいただければ、幸いです。
□ 書 名:『カンボジア絹絣の世界〜アンコールの森によみがえる村』
□ 著 者:森本喜久男
□ 発行元:NHK出版(NHKブックス1102)
□ 価 格:970円(+税)
□ ISBN:978−4−14−091102−0 C1339


(7)"FRONTLINE/WORLD"ウェブサイト公開のご案内
アメリカの公共テレビ局PBSの「FRONTLINE/WORLD」というドキュメンタリー
番組で私たちクメール伝統織物研究所が紹介されました。「Cambodia: The
Silk Grandmothers 」というタイトルでまとめられています(英語版の番組
ですが、わたしはインタビューに日本語で答えています)。この番組は、ウ
ェブサイト上でも公開されています(約13分)。以下のURLから、ご覧に
なれるはずです(再生にはQuicktimeあるいはRealplayerが必要とのこと)
▼「Cambodia: The Silk Grandmothers」
http://www.pbs.org/frontlineworld/rough/2007/06/cambodia_the_si.html

____________________ I N F O R M A T I O N _________________________

★ショップ&ギャラリーの営業時間のご案内★
シエムリアップのIKTTのショップ&ギャラリーの営業時間は朝8時から
夕方6時まで(年中無休)です。工房の見学を希望されるかたは、平日の朝
9時から夕方5時まで(正午から午後2時までは昼休み、日曜日はお休み)
の間にお越しください(できるだけ事前にご予約をお願いします)。

★★シエムリアップIKTTまでの歩き方★★
オールドマーケット(プサー・チャー)の南側にあるタ・プローム・ホテル
の玄関前に立ち、右斜め前の方向に、道路を挟んで流れるトンレサップ川に
沿って進みます。川岸には遊歩道が整備されています。道なりに(つまり川
に沿って)歩くこと5〜6分で、右手前方に「クメール伝統織物研究所」と
日本語と英語で書かれた緑色の看板が見えてきます。ここがIKTTです。
(左側にクロコダイルファームの看板が見えたら行き過ぎてしまいました。
お戻りください)

★★★「伝統の森」ショップの営業時間のご案内★★★
新たに、「伝統の森」に、ショップがオープンしました。森のショップの営
業時間は、朝7時から夕方4時までです。年中無休ですが、お越しになる場
合は、できるだけ事前にご連絡をお願いいたします。(アクセス方法につい
ては、以下のピアックスナエン・「伝統の森」への道のりをご覧ください)

★★★★ピアックスナエン・「伝統の森」への道のり★★★★
「伝統の森」は、シエムリアップの町から北へ約30キロ、車で約1時間の
ところにあります。アンコールワットを右に見て進み、アンコールトムの南
大門をくぐり四面仏の尊顔が微笑むバイヨン寺院を通り越し、さらに北へ。
プリアカン寺院の門前を過ぎて道路が大きく右にカーブした先に、左に折れ
る一本道が現われます。この道を約10キロ、途中何度か川を渡り、左手の
木立の間にお寺が見えたらすぐ先の道を右へ。曲がり角に設置してあるIK
TTとMORIMOTOの名前の入った緑色の看板を確認してください。こ
こから約4キロ、ふたたび川を渡り、しばらく行くと右手に「伝統の森」の
入口が現われます。
※2009年1月現在、シエムリアップの町から「伝統の森」までタクシー
で往復40〜50ドルが相場です(郊外に向かうタクシー料金は、シエムリ
アップ基点での往復運賃を請求されるので、片道でも料金は同じです)。な
お、シエムリアップからアンコール遺跡群へ向かう途中で立ち寄る通行証の
チェックゲートで「ピアックスナエンの養蚕の村へ行く」と説明すれば、通
行証を購入しなくてもゲートを通過できるはずです。
※『カンボジア絹絣の世界』p.116 の「シエムリアップ周辺図」にも、「伝
統の森」の位置がプロットされております。こちらも参考にしてください。

2009年1月25日
クメール伝統織物研究所 森本喜久男

●発行
IKTT (INSTITUTE FOR KHMER TRADITIONAL TEXTILES)
No. 472, Viheachen Village, Svaydongkum Commune,
(Road to lake, near the crocodile farm)
P.O. Box 9349, Siem Reap Angkor, Kingdom of Cambodia

※当メールに掲載された記事を許可なく転載することを禁じます。
※このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』
 を利用して発行されております。【 http://www.mag2.com/ 】
mag2 ID: 0000070073
Copyright (c) 2009 IKTT All rights reserved.
◎メコンにまかせ
のバックナンバー・配信停止はこちら
⇒ http://archive.mag2.com/0000070073/index.html
このメールに返信すれば、発行者さんへ感想を送れます

更新日時 : 2009年1月25日 16:54

前後の記事:<< 【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.138 | 【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.140 >>
関連記事
【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.141(2009年3月11日)
【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.140(2009年2月 6日)
【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.138(2009年1月 4日)
【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.137(2008年12月21日)
【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.136(2008年12月15日)
【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.135(2008年12月 9日)
【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.134(2008年11月30日)
【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.133(2008年11月22日)
【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.132(2008年11月13日)
【メコンにまかせ】IKTT [クメール伝統織物研究所]Vol.131(2008年10月27日)