IKTT
IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男

新しい年を迎え

2009年、新しい年があけました。本年も旧年に変わらず、いやそれ以上にどうかよろしく、そしてあたたかく見守っていただけますようお願いいたします。

1995年に活動を始めてから、早いものでもう15年がたちます。最近の伝統の森での日々を見ていて、その成果が確実に形になり始めていることを感じます。しかし、これも皆様の暖かい支援のお陰だと思います。あらためて深謝、ありがとうございます。

伝統の森プロジェクトを始めたころ、だれもわたしが「村を作る」「森を再生する」と話しても、信じてもらえなかったのではと。しかしいまは村ができ、森がその姿を見せはじめて、だれもが納得してもらえる状況が出現し始めている。

最近では、伝統の森に訪ねてこられた方から、IKTTは、もともとそこにあった村?にやってきたと思われることがあるほどに、村に生活感があり、家も少し古びて、景色になじんできた。その結果かもしれない。そんな方に、わたしが4年、5年前に建てた家ですよ、その前はここはすべて荒地だったと説明すると、みな驚かれる。

そして、本当に日々進化しながらこの村で、わたしがときに驚くほど、すばらしい布が、村のおばあや住人たちの手で生み出されている。布は自然の恵み、生ものである。そのときそのときの作り手たちの気持ち、心がそこに表現される。わたしは、自身が、そんなすばらしいカンボジアの人々と時を共有できる幸せに深く感謝の気持ちを抱くことも理解していただけると思う。

しかし、そのうえでわたしの夢(欲?)は、もっとすばらしい布を生み出したいと思っている。糸、そして色や柄、まだまだ課題はたくさんある。それがこれからの、IKTTのテーマでもある。IKTTの布を見た方が、手にしたくなる、そして、買いたくなる。そんな布を作りきりたい。

もうひとつの今年の、というかこれからの課題は、村での自給率を上げていくこと。もちろん、それは養蚕による生糸もそうだし、染色の素材となる植物を増やしていくこともだけれども、村の住人たちの生活の自給率をもう少し上げていければと思っている。

稲作で米をというほどには土地がないので、米は外から買うにしても。野菜作りや養殖による魚。それは、みんなの食生活を豊かにしていくことにもつながるし健康にもいい。そしたら、みんなの給料は上げなくてもいいかもしれないと、思ったりする。でも、生活は豊かになる。エネルギーもしかり。自家発電をソーラーや水力にできれば。牛もいるから、もう少し増えればバイオガスもと、夢は広がる。

そんなあらたな目標をえがきながら新しい年を迎えた。世界が激しく揺れる中でもっと、自然とともに人がゆっくりと暮らしていく、そんなあたらしい生活の形に、一歩近づきはじめていくきっかけが生まれてきているように思える。自然は宝庫、そんな豊かな自然の存在を、価値を、見直す時期に来ているように思う。

更新日時 : 2009年1月 3日 13:44

前後の記事:<< 「森」での流行 | 森の出勤時間 >>
関連記事
新しい年を迎えたカンボジアから(2010年4月14日)
あたらしい年(2009年4月17日)
年4回もあるお正月(2009年1月26日)
年末年始のご案内 (2008年12月 9日)
ねずみ年(2007年12月24日)
あたらしいステージにむけて(2007年10月11日)
伝統織物の復元から、村の再生へ(2007年9月25日)
おなじ手仕事(2007年8月 9日)
あたらしい年(2007年4月13日)
新たな計画(2007年3月11日)