IKTT
IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男

年4回もあるお正月

今日25日は中国正月にあたる。ベトナムのお正月もおなじ。

IKTTでも花と果物を飾り、お正月を祝う。IKTTの中でも、主力のタケオ州からの織り手たちは、中国系の出自を持つ。そのせいか、この中国正月に里帰りする人たちもいる。

でもわたしは、中国正月に里帰りする人は、4月のカンボジアの正月には里帰りはできないよという。そうでないと、年に2回もお正月が来ることになる。

断食明けの12月には、イスラム系のチャムの人たちのお正月もある。わたしも招かれて定番のカレー料理をご馳走になる。そしてインターナショナルな1月1日。そして中国正月に、4月のカンボジア正月。ここには計4回のお正月があることになる。

何人かのタケオ組の織り手たちと、シエムリアップのベトナム系ともいえる中国系の人たちと、お正月を祝った。爆竹はないけれど、みんなで、偽の100ドル札や金もどきの紙を火にくべ、新しい年に福がたくさん来ることを祈る。燃やしたお金が倍になって返ってくるといいながら、でも真剣に楽しそうに過ごしている。

シエムリアップの町は、例年より静かなような気がする。やはり世界の金融不安がこの町にも波及してきているのかもしれない。一時の土地バブルがはじけ始めた、といううわさも聞くようになった。数日前の市場での、正月用の花売りも例年ほどに活気がないように見えた。

IKTTには、本当にいろんな地域からいろんな背景を持った人たちが集まり、布を作っている。そんな、それぞれの異なる文化や思いが融合しながら、あたらしい布の世界を生み出していく。だから、わたしは年に4回の正月を、それぞれの人たちとともに祝っている。そのために、小さな子どもたちへのお年玉も、4回分用意しなければならない。

混沌と融合。これはそれぞれの時代のキーワードでもある。混沌があってはじめて、その融合が新たな美の創造につながる。そのために、この混沌を生き抜く力、エネルギーをIKTTのみんなが身につけていければいいと思う。

オモチャのような偽米ドルをみんなと燃やしながら、そんなことを願っていた。

更新日時 : 2009年1月26日 19:18

前後の記事:<< 一期一会 | 自然を布に >>
関連記事
新しい年を迎えたカンボジアから(2010年4月14日)
カナディアン・イングリッシュ(2009年10月26日)
あたらしい年(2009年4月17日)
新しい年を迎え(2009年1月 3日)
年末年始のご案内 (2008年12月 9日)
お盆の里帰り(2008年9月28日)
意匠(2008年5月24日)
あたらしい年(2007年4月13日)