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IKTT :(クメール伝統織物研究所)森本喜久男

リラックス

わたしは、料理を作るのが好きだ。というと、少し語弊があるかな。おいしいと思うものを食べたいと、本当はそれが理由かもしれない、が。

シエムリアップで暮らすようになって、もう10年ほど。初めのころ、食材は限られていた。50歳を過ぎて「味噌汁回帰」して、ほぼ毎日のように食べたいと思うようになった。しかし、そのころ味噌は、シエムリアップでは手に入らなかった。

30歳を過ぎて日本を離れ、でもそのころは、何でも食べるというか、食べ物ではあまり贅沢はいえない、食べられればよし、みたいな生活を送ってきた。だから、自分で作るにしても、食べたいと思うものを食べられる環境というのはとても幸せなことだと思う。そして最近、作ること、そして食べることが、とてもリラックスになることに気がついた。

シエムリアップでは、おいしいお米が手に入る。ところが同じ名前の米でも、買ってきてもらうと味が違う。ロムドゥアルという名で、じつはその違いは生産している村の違いであることがわかった。バッタンバンに近い地域のその米は、すでに化成肥料が使われおいしくない。そして、昔ながらの牛糞による有機栽培にこだわっている村の米が、じつはおいしい理由であることに気がついた。

最近では、シエムリアップでもいくつかの大きなスーパーも開店し、ほとんどの日本の食材は手に入るようになった。納豆や竹輪。最近では、子持ちシシャモまで手に入る。10匹入って、1.25ドルだから、日本のスーパーよりもひょっとしたら安いのではないだろうか。さすがに、新鮮な海の魚というのはなかなか手に入らないが。ホテルなどに冷凍で卸している、韓国人のやっている食材屋さんを見つけてしまったから、素材についてはほぼパーフェクト。

すごいことだ。そういえば、以前は、マンゴーもこの乾季にしか食べられなかったのだが、いまでは一年中、町の市場で見られるようになった。フィリピンやインドネシアから運ばれてきているのだろうか。需要があるということはすごいことだ。でも、食から季節感がなくなることは、けっしていいことではない。

最近では、「伝統の森」に植えた竹も元気に育っている。そこから竹の子なんていうのも、楽しみの食材。そして、魚を飼おう、とも。本当は贅沢に沼で海老を飼いたいと思っている。淡水の手長海老。おいしいトンレサップ湖の海老が市場にも出回っているのだが。「伝統の森」でできた野菜とともに、それを食材にしたレストランを開こうかな、と思ったりする。

 自然の布を作りながら、その横では、自然の食材でレストラン。そんなことも、もしかしたら「伝統の森」の新しい事業になっていくかもしれない。でもその前に、おいしい料理をつくれる人材を育てなければならない。そんなことを思いながら、「伝統の森」で日本食もどきのような料理を、みんなと作っている。リラックスもかねて。

更新日時 : 2009年4月29日 19:38

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